曖昧 | ナノ

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なに、なんでカヅサが…

てか薬ってなんのことだし。何も覚えてないのに。

さっきの映像が頭に焼き付いて、落ちない。

「NO NAME」

「ん、なにってうわぁお!!!なになに?!」

目を見開くと、私の視界に写ったのは0組みんなの顔だった。

みんなで私をのぞき込んでいるもんだから思わず身構えてしまった。

「身が覚めましたね」

クイーンのほっとした声と同時にシンクが抱きついてきた。

「心配したんだよ〜〜っ」

「え、なになにどうかしたの私?」

「隊長が言うには、急に倒れたと。マザーは疲れがたまっていた、とか言ってましたよ」

トレイの冷静な言葉に瞳を細めた。

倒れたって…カヅサの所で…?

そして浮かんだひとつの可能性、

「じゃあじゃあじゃあ!私運んでくれた乗ってクラサメ隊長?!」

私の言葉にみんなは顔を歪めた。

まるで、きたよクラサメ病。と言っているかのようにため息をこぼし出す。

「それは「秘密だよ」

セブンの言葉を遮ったのはエースだった。

えらく不愉快そうな顔をして私に言い放つと、もう一度口を開いた。

「自分の武器も思い出せないような奴は知らなくていい」

「ええっ!なにそれ!!!!」

てか思い出せないの私のせいじゃないし!!!

「ねぇクイーン!教えてよ!!!」

「まぁエースの言うことにも一理あります。武器が思い出せないと足でまといですから」

「いやーん、クイーンキツイってそれええぇ」

まぁそれもそうか。

そう言って次々と出ていくみんなに泣き叫んでも戻ってきてはくれなさそうだ…。




―――


「おいエース、言い過ぎじゃねぇ?」

「なんで、本当のことじゃん」

「でもNO NAME涙目だったよね〜」

「いまさら言うなよ!」

もう後戻りなんかできない。

「おい」

かたを叩いたキングに振り返れば、ため息を零したキング。

それに顔を歪めればキングは口を開いた。

「今入った情報だが、思い出せないのはカヅサの盛った薬の副作用らしい」

それに思わず瞳を見開いた。

じゃあNO NAMEのせいではなく、カヅサのせいになる。

頭に浮かんだのは涙ぐむNO NAMEの顔だった。

なんで、なんで隊長のことだとあんなに必死になるんだよ。


「っ…」

「あれーエース?」

ジャックの声を無視して向かうのはNO NAMEの部屋。

ノックもなしに扉を開くと驚いたようにNO NAMEは目を見開いた。

「ごめん」

「え、なに?なんで?」

「さっき、ひどいこと言ったから」

「やだなー気にしてないよ、てかなんかエースらしくないよ?!大丈夫?!」

その言葉にイラっときたが、

今はその言葉に憎しみが回らない。

僕の憎しみはただ一人の人間に注いでいる。



僕が、近くにいれば。





あの時、NO NAMEを運んできたのは隊長だった。


恥ずかしいぐらいに嫉妬している思いを認めざるおえない。




     

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