曖昧 | ナノ

結局
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「あたし、戦えないよ」

「何を言ってるんですかNO NAME」

朝から寝坊をして、クイーンにたたき起こされ、

連れてこられた先はいつもの教室ではなく。

知っているような知らないような。

あれ、ここルブルム地方ですか…?

「近くに皇国軍がいますよ」

「いやいや、あたくし戦えませんよ」

「それは精神的なことですか?それとも怪我でもしてるとか?」

デュースのほんわかした声が響くと、冷や汗が身体に流れたように感覚がした。

「いや…あたし、武器とかないし」

言わなきゃ良かった、

なんて思ってももう遅い。みんなの視線が痛い。

もうこいつダメだ、救いようがない。みたいな視線はやめてくれ。泣きたくなるから

でもあたしって…何?

トリップ…?前からなんかいたみたいだし…

なんだろう…。

「NO NAMEーとうとう頭が狂っちゃったねー」

「なんかあっさり言われる方が良いよ……」

ジャックのニコニコした笑顔につられて苦笑いすると、

エースのため息が聞こえてきた。

「マザーの元に連れていったほうがいいんじゃないか」

セブン、なんかすごくその言葉は悲しいような気がする。

「記憶喪失とか?いやぁーないよねぇーー」

「…どうだろうな」

なんかみんなもうあたしの事で考えるの面倒くさくなってない?!

「あーもういいよっ!!!なんかデタラメに戦ってやる!」

「俺たちの足は引っ張んなよ!」

「わかってるわ!いや、やっぱり少しぐらいは引っ張ってもいいよね!!」

最初は強気だった気持ちが、前に皇国軍の兵が見えた瞬間に小さくなってしまった。

もうなんだかわからん、

どうする、なんかあるのか?!

「いでよ!魔人!」

「…それは無理がある」

「キング…ツッコミありがとう」


わかってるさ。

でもみんな少しぐらいあたしの武器教えてくれたっていいじゃないかぁぁ!!!!

「くるぞ!」

「ぎゃ!!!」

地面に鋭い音が聞こえたと思ったら、こっちに向かって飛んでくる銃の球。

おいおいお!リアルに危ないって!!!

「おらにはそんな勇気ないんですよおおおぉぉ!!!!!」

慌ててナインの背中に隠れると、ナインがうざそうに後ろを振り返って、

あたしの顔を見た。

それに苦笑いして、微笑むと、なんだかやりきれなそうな顔をして、

「ったく、しょうがねぇーな…」

「!」

持っていた槍を力強く振り落とすと周囲の兵達は吹き飛んでいった。

「ナイスナイン!!!やっぱカッコイイよナイン!ヒュー!!!」

「うるせぇ!気が散るわコラァ!!!」

そんなこと言っちゃって…頬が緩んでますよナイン君。


ナインを見て笑っていると、付けていた無線から愛しの声が聞こえてきた。

《君は何をやってるんだ…》

「隠れてます」

《どこに》

「ナインの後ろです」

クラサメさん、カッコイイよボイス…最高。

《早く戦わないと囲まれるぞ》

「いやぁーあたし居なくてもみんなが倒しちゃいますから」

クラサメさんに自分の武器と戦い方忘れたなんて言えるわけない

そんな事言ってやる気ない生徒だ、なんて思われたらNO NAMEちゃんショッキング!!

《何言ってる、0組の戦闘力では君が一番だっただろう…?》

「……は…?」

なんのことだ、

そんなわけあるか!




待て、


どうゆうことですかぁ?!


「ねぇみんなあたしって一番強い?!」

「認めたくないけどそうですね!」

トレイが弓をひきながらそう呟くと、シンクが近づいてきた。

「NO NAMEはーいっちばぁーん強かったよ〜」

「………そんなぁ」

そんなこと言われても忘れたもんは忘れたんだよ〜〜〜!!!!




《集中するんだ》

「隊長!」

《君の実力ならこれくらいの兵簡単に倒せる》








すいません、それ、甘い言葉にしか聞こえません。








結局集中なんてできやしないよ














     

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