私 | ナノ

国の選択
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「やはり監禁しているのは……、」

「でももしも彼女の身に何かあったらこの国は終わるのですよ!」

「精神的にも限界がきていますよ…もしこれがクリスタルに影響したら」



「彼女を強くするのはどうでしょう?」


この言葉に、部屋中の大人たちがどよめいた。

この選択は、

光であり、闇である。
















“君を0組専属の指揮官とする

そして彼女を頼みますよ”


ふざけている。

NO NAMEに、魔法を…?

その選択は彼女自身を戦わせる。

そう、そうゆうことだ。


部屋に手をかざして、魔法を唱えると、

音を立てて扉が開いた。

そこには変わらないNO NAMEの顔があった。

窓際にすっぽり体が入るスペースに、

入っていつも外を眺めていた。



分かっている、彼女の気持ちは。


「NO NAME」

ゆっくりとこちらに向いた顔は、

いつもより青白いような気がした。

つい手を伸ばして、彼女の頬をなでると、

冷たかった。

「なに?」

小さく呟かれたNO NAMEの言葉に、

瞳を閉じて
また開いた。


「外に、出れるぞ」


その言葉に彼女は笑わなかった、


涙も、


流さなかった。



ただ、顔を傾けて、小さく笑った。


「嬉しくないのか、」

「だってその選択は、私を…利用するためでしょ」

「…NO NAME」

頬にある手に、NO NAMEは自分の手を重ねると

瞳を閉じた。





「最初から、利用されるためだけの人間なんだけどね…、」


彼女の気持ちは知らないうちに、

どんどん冷たくなっていた。



エミナの言葉と、NO NAMEの姿が交差して

頭がいっぱいになった。


     

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