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朱雀のために
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「現在の兵力では皇国との全面対戦は厳しい状況と言わざるおえないのでは?」

「戦力の不足はルシで補えばいい!」

「面白いことをいう、ルシが議会の要求などで動くと思っているのか?」

「議会は化身を保護しているじゃないか!ルシはあの化身の言うことなら聞くのではないか?!」

「そうかもしれないが、化身もまたクリスタルの意思ではないと動かないだろう」

「そんなものどうとでもなる、幸い化身はまだ若い…」

「……何が言いたいのかしら」

議会の部屋に入ってきたのは、ドクターアレシア。

軍令部長に近づいて、瞳を細めてもう一度口を開いた。

「あの子を脅すつもり?」

「国のためだ………」

「そもそも化身、という存在を分かっていないわ。どれほど尊く、クリスタルに近いか…」

「その事については未調査なものが多過ぎる!」

「あら?500年前の資料に目を通してはいないのかしら」

アレシアの目線が鋭く軍令部長に向かった、

軍令部長は眉をしかめて、苦虫を噛み潰したような表情でアレシアを見つめ返す。

そんな空気の中、声を出したのは兵站局局長 だった。

「確かに、500年前化身はクリスタルと同等の力を持つと言われていましたが、現在の状況では化身もルシもクリスタルの危機を感じているでしょう。
たしか、市都開放作戦にあたった候補生にはクリスタルジャマーの影響を受けずにルシを奪還したと聞いています、その魔導技術を使い同等の兵士を作れないのでしょうか」

「あの子達と同じことは簡単にはできないわ」

「では化身の戦闘介入の話はどうなっている、訓練は」

「訓練は今はしてないわ、ジャマーの影響があの子で出ていたので休ませている。
ハッキリ言うと、力が大きすぎて制御するには時間が必要。
それより候補生の戦闘介入を考えるべきだわ。」

「…!」








   

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