私 | ナノ

思い返すこと
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「あの化身の子さぁ〜結構可愛いかったよねぇ…」

「そうだったねぇ〜!」

「やっぱり化身なんだぁ…すごいなぁ」

「なに、ぼーっとしてるの?エース」

ケイトの声でぼんやりしていた思考が違うものに変換される、

「なんか最近ぼーっとしてること、おおいよねぇ…」

「なんか悩みとか?」

「いや…そうゆうわけじゃ、ないんだけど」

表面上だけの笑顔を作ると、なんとか自分の話から違う話に皆のトークは変化された。

だが、話の内容は自分の事ではなくなったが、

ぼんやりする頭の原因でもある話に変わってしまった。

「ねぇクイーン化身って前に存在してたんでしょ?」

「はい、もう500年も前の話ですよ」

「ご、500年?!そもそも朱雀化身って重要なのかよコラァ!」

ナインの言葉に少しため息をついたクイーンは、しょうがない、と言うように口を開いた。

「この国の化身はクリスタルと通じ会えるものであり、ルシさえも従える力を持つものです、簡単にいえばクリスタルと同じような力を持った“人間”でしょうか…」

「それってすごくねぇか!!!」

「そうです、だからあの戦争の時、どの任務よりも最優先されたのですよ」

クイーンの話通り、化身はこの国の大切な存在だ。

だが現状はその存在について、未調査なことが多過ぎる、という点。

どんな力を持つのか、どこまでが可能なのか。

また何に触れてしまうと危ういのか、未知の存在に等しい。

だが問題なのはそんな事じゃない、それがあの子だったということ。

僕の思考からいつまでたっても消えてくれないあの子、



もう、あの子には会えないんじゃないだろうか。



そう思う自分がいる、思いたくないのかもしれない、

何かを信じているのかもしれない。

僕は一体何を考えている、何がしたい、

ふわふわと揺れる収まるところが分からない気持ちは、

まだ心の中を迷ったまま。















   

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