私 | ナノ

揺れる瞳は君のもの
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クリスタル、クリスタル、クリスタル。

そう言えばクリスタルはいつだって答えてくれる。

自らの光を私に与えてくれる。

でもね、その光の代償はなんだろうと。最近考えることがある。


「クリスタルは異常ないよ、ジャマーの影響もない」

クリスタルに触れる手から手を離して、後ろにいるマザーにそう言うと。

小さく頷く声が聞こえた。

それを確認してクリスタルに向かって瞳を閉じた。

「クリスタルの加護あれ」

それに一瞬光ったクリスタル、その光は徐々に小さくなるとまた元の光に戻った。

「お疲れ様」

「うんっ」

今日はなんだか憂鬱だったこの場所も楽しく感じられる。

それは魔導院に行けるから。

「随分と嬉しそうね、でもいけるといっても全部回れるわけじゃないわよ。
生徒達がいるから目立たないようにね」

「はいっ…」

それに元気よく頷くと、マザーはまた優しく微笑んだ。

「じゃあ、宜しくね」

その声と同時に聞こえた声は久しぶりに聞く声だった。

「はい。」

後ろを振り向けばクラサメの姿があった。

マザーはこれから仕事なので魔導院で士官をやっているクラサメと一緒に行くことになった。

「いってらっしゃい」

「行ってきます」

微笑みながらマザーにそう言うと、ひらひらと手を降って、マザーは戻っていった。

そしてその姿を見送るとクラサメに向き直った。

「久しぶり」

「ああ、」

自分より背の高いクラサメは自分を見ようとはせず、そっけない言葉だけ返ってきた。

それに少し違和感を感じると、クラサメの身体は動いた。

「行くぞ」

「あ、うん」

前を歩くクラサメに付いていくが、

一向に何か話そうとしないクラサメ、それにやはり違和感を感じて動いていた足を速めると、

クラサメの横に移動する。

その行動にクラサメは目も向けなかったが、私は気にせず口を開いた。

「忙しかったの?」

「そうだ」

「そうだよねえ、指揮官だもんね、どこの組の指揮官なの?」

「0組だ」

それに瞳を瞬きさせた。0組と聞けばずば抜けて強い組と聞いていた。

そしてクリスタルの加護が強い人達。

エースもクリスタルの加護が強かった、

「強いんだよね0組、その指揮官だなんてすごいね、クラサメ」

もうほとんど魔力が残っていないクラサメが0組の指揮官なのは

今でも実力があるからだと思う。

「いや…、」

やはり短い言葉しか返さない彼に自分の口を開こうとした時、

目の前には魔方陣があることに気づく。

クラサメはそのまま魔方陣に移動したので、息を吐くとそのまま自分も魔方陣に移動した












 

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