1stシングル・見つけた!わたしの王子様







これは

運命の出会い、

ってやつでしょうか?










見つけた!わたしの王子様









(うわっ……まただ…)

わたしには悩みがある。
たった今その悩みに
直面しているところである。

(た、た、助けてーー!)

その悩みとは。
恥ずかしいけど…毎朝乗る電車で、
そっ、その…ち、痴漢、ってやつに
あってるってことなんです……(小声)。

今日も例に漏れず…。


(うぅっ…気持ち悪い……)

おしりをさわさわ触られて
めちゃめちゃ気持ち悪い。
でもこんだけ混んでたら
身動きが取れない。

(だ、誰か助けて…!)



「おい」



いきなり低くて男らしい声がしたと思うと、
おしりの違和感がなくなった。

ちらっと後ろを振り向くと、
若い男の人がサラリーマン風の人の手をつかんでた。

緑の髪の毛なんてめずらしいなあ。

「朝からおれのケツを触るたぁ
いい度胸してんな」

途端に車内がざわざわする。
た、助かった…!

「ち、ちがっ…」

「何が違ぇんだよ。
この手が動かぬ証拠だろ」

さっきの若い男の人がふいに近づいて

「……次降りれるか?」と聞いてきたので

こくん、と頷いた。

さっきから胸がおっきな音出して
どきどきいってる。
どうしちゃったのわたし!



「あのっ…!」


次の駅で痴漢男を引き渡したあと、
そのまま去ろうとする男の人に
勇気を出して声をかけた。

「あ、あの…ありがとうございましたっ!」

「あ?あぁ別に気にすんな」

ポン、と頭におっきな手を乗せられる。


「じゃ、おれ急ぐから」

「あ…」

と言ってさっきの電車と
逆行きの電車に乗って行ってしまった。


め、
めっ…
めっっちゃかっこいい…!


サンジ、18歳にして
王子様を見つけました!

名前も聞けなかったけど
また会えるかな…会えるといいな!



おわり





出会い編でしたー。
キャラ違くてごめんなさい。
にょたサンちゃんは
めちゃめちゃ乙女ちゃんな予定です(・ω・)うふふ



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