俺はこの学園に転校する結構前
夜だったので眼鏡を取った姿で夜遅くに少し離れたコンビニに行ったときのこと。





その日が雅さんと…帝さんとの出会いだった












「うー寒い」





もうすぐ春だと言うのにその時はものすごく寒くて、その寒さに震えながら深夜の住宅街をコンビニに向かって歩いていた


するとチャラけた男が話しかけてきた



「あれれー?一人でこんな遅くにどーしたのっ」

「は?」


「暇なら俺たちと遊ぼうよっ」


酔っぱらってんのかと思うほどうざったい


「俺コンビニに用があったんで暇じゃないんで」


相手は3人。適当にあしらえばなんとかなると思った




だけど




「ひゃー、冷たーい」

「え?てか男っ?」


簡単じゃ、なかった


「そうですけど…」



早く用を済ませたかったのにな…叔母さんに怒られてしまう。
夜にふらふら外に出るんじゃない、と。




「うっそ!」

「まじでー」

「女の子に見えたー!!」

「…」



別に女の子に間違われるのは少なくなかったけど、なんかこの人たちの目つきが気持ち悪い。


「名前、なんてゆーの?」


「言う義理はない」

「ふーん。強気な感じ俺、好き」

「俺もこの顔なら大丈夫」

「確かに」




俺の顎を一人の男の手が掬った


「離せ。あんた等と遊ぶ暇なんてない」



俺はその手を叩いて男と男の間を通ろうとした


が、



「おい、せっかくだし遊ぼうぜ」


肩をつかまれた


「っだから、っ!」




振り向いた瞬間に口を手で押さえられて壁に叩きつけられた

背中に鈍痛が走る




「っい」

「大人しくしてりゃ痛い目はみないぜ?」


男は俺の着ていたパーカーを脱がせ、Tシャツを捲った。
外気に素肌が触れて肌寒かったのか恐怖から…多分、両方で俺の身体が震えていた


「震えちゃってかわいいー」
「肌白くて綺麗だな」



「つっ!!!」

「下も早速いっちゃう?」

「ぱぱっといっちゃいましょ〜」

「やっちゃいますか〜」



ケラケラ笑う奴ら。…信じられない…男なのに……!


「んんーっ!!」




せめてこの手が無くなれば声が出せるのに、そう思って俺はふさがれた状態で叫んだ


すると1人の男が笑う


「助けなんて、期待しないほうがいいよー」



こんな夜が更ける時間に、人が少ないのはわかってはいるけど。


それでも…!







男達がズボンに手をかけたその時









「何やってるんですかね」








「「「っ!!!」」」




第三者の声に驚き声の主を見る



声の主を視界に入れたとき、俺は天使だと本気思った




「何やってんだ、雅」

「あぁ帝王。綺麗な子が汚い奴に汚されそうになってる現場を発見したんですよ」

「あぁ?」




横から真っ黒な髪に真っ黒な服を着た闇に溶けそうな男が出てきた




「黒龍の雅と帝王!!!」

「ま、まじかよ!」


「あ゛?」



どうやらこの三人組は彼らを知っていたようだった

なんだか……とりあえずこいつらの味方ではないみたいで助かった



「あ、こいつ等さっきの潰してきたカス共の仲間の奴らか」

「取りこぼしがあったみたいだね」


二人は笑った。天使の笑みは天使には変わりは無かったが何か小さな闇を感じた




「残さないようにやったつもりだったんだがな」

「僕さっき使わないと思って手袋捨てちゃったよ」

「俺だけでも十分だ」


漆黒の人が前に出た。


「!、舐めやがって!」

「いくら帝王でも3対1だ!」

「おらぁああ!」



男が、帝王と呼ばれた男に殴りにかかった瞬間



俺に影がさした


「…あ、」

「大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫です」

「僕、綺麗なものが汚されるのが一番嫌いなんです」


俺はへたり込んでいたのでマサと呼ばれた彼には必然的に上目遣いだった
やはりその顔は綺麗で天使のようだった。


「雅」

「ん?」

「片付け終わったぞ」

「そう。お疲れさま」

「そいつにそんな気に入ったか?」

「なんで?」

「お前、殴んの見えないようにしたろ?汚いものを見せたくないってか」



「ばれました?」

「当たり前だ」



二人仲良く話していて割り込むのは気が引けるが…礼は言わないと。
そして、早く用事を済ませないと



「あっあの」

「ん?」

「あ、ありがとうございました」
「…」



黙って二人は聞いていた




「助けて貰っちゃったし…」



「別に気にしないでね」

「いや、でもそんなっ」


「僕は雅。こっちが帝王ね」

「あ、俺、憂です」

「ユウ、ね。」

「マサさんとテイオウさん、ですね」

「…帝でいい」

「テイ、さん?」

「あ、マサは雅って書くんですよ。」


こうだよ。って手のひらに書いてみせる

みやび、の字がとても彼に合っていた

ちなみにテイの感じもこうだよ。と言われて教わった。本物の王のようなその名は彼にふさわしかった。


「お礼になんかおごります。コンビニとかで…いいですか?」

「いえ、大丈夫です。そんなことより、また三人で逢いましょう?」



「え?」
「は?」




帝さんと俺の声がハモった



「なんで俺がいんだよ」

「なに?僕は君のことも配慮してあげたんだけど?僕が気づいてないとでも思った?」



ニヤリと雅さんが笑いかけた
帝さんはびっくりしたように目を見開いた後笑った




「適わないな」

「それこっちの台詞」



二人でなんだかよくわからない言い合いをしているとこ悪いんだが俺はいまいち理解ができていない。


「あ、あのまた逢うって…?」


「またってか度々ユウに逢いたいって…駄目ですか?」

「っ!そんなっ!全然駄目じゃないです!逆にそんなことでいいのかなぁって…」


「よし、じゃあ決まり。時間できたらここに電話してください。もしこっち出なかったら下に電話して?ちなみに下のは帝王の番号で上が僕の。基本的にはでるはずですからもし両方駄目だったら次に暇な時電話してね」



「え、あ…はい」



「そろそろ門限がヤバい。蓮がキレる…行くぞマサ」

「わかった。じゃあねユウ」





ちゅ


「…え」


「ユウの瞳、綺麗な色してる。僕きれいなものが好きなんだ。じゃあね」







ほっぺにキス…された。


「またな」

帝さんが笑顔で行った









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