俺の名前は西城色。
生まれ持った顔の良さに女に困ったことはなかった。
男子校に入れられても性の処理に困らなかった。
つまり、俺はバイだ




生徒会書記というかったるい役員に任命されたけど
それに付属されている特典を見て仕事を上回ると思い引き受けた。

そしたら前からいた親衛隊の規模が大きくなった。
でも、大きくなると統制がとれて逆によかったかも。
どの子に手を出してもごたつかない。

なんて、楽なんだろう。
そう想ってた。














たまたま 放課後に一人で歩いていると俺の親衛隊だと言い張る奴が近寄ってきた




人の少ない放課後だと思って油断していた
どこからともなく現れた親衛隊。


今日は気分じゃないからどんなに可愛い奴でも抱く気にはなれない







なのに


「西城様あ」
「これからお暇ですかぁ?」
「お相手して下さいますか?」







うざったい


反吐が出る





「ごめんね、ちょっと用事があるんだ」

「そうですかぁ」
「残念ですぅ」
「今度にしますねぇ」


笑顔で言えば引いてくれる
バカばっか


俺がここにいるとの情報が回ったのかあちらこちらに人が増えてくる
めんどうくさい。
みんなに相手にされないからって誰でも相手にする俺にくるんだよな
ふざけんなって




もう、あしらうのも面倒だ


俺は近くの空き教室に逃げた


とりあえず生徒会室に行こう
そうすれば人は近寄れない






俺は空き教室で人が引くのを待った。
少し経ったら人も減る。そしたら走って生徒会室へ行こう




外の様子を伺っていると一人の生徒が通り過ぎようとしていた


あれは、確か田中…憂ちゃん
帝さんの蹴りを避けたとか
超潔癖症の雅さんと握手したとか…


面白い。
話してみたい。



俺はすぐに行動した



ドアを開けて憂ちゃんの口を手でふさぎ、すぐに親衛隊に見つかる前に憂ちゃんを空き教室に連れ込んだ




『ここらへんにいたはずなんだけどなあ』
『今日こそお相手に選んでもらおうと思ったのに』
『抜けがけは駄目だよ!』


廊下で声がした
ギリギリセーフだったみたい


足音が遠くなった






「…行ったか〜」


「んー!」


すぐ下から声がした

俺は憂ちゃんの口をふさぎ抱き込んでいる状態
すっぽり収まってて抱き心地も悪くない。





「あ、ごめんごめん」

「はっ、てめぇ何すんだ!…っ!?」






俺を誰とはわかっていなかったみたい
敬語もなしに強気に出てたのに俺の顔をみた瞬間目が見開いた
目、こぼれちゃいそう

俺の顔を知らないほど、無知じゃないみたい。
うん。嫌いじゃない


「ごめんね、憂ちゃん。はじめまして俺、西城 色よろしく」


とりあえず自己紹介をしてみた
まぁでもさっきの反応からして俺が誰だかは知ってるみたいだけど

初めましてで挨拶は必要でしょ?





「あ、あの俺に何の用スか?」

「用?別にないな〜…たまたまさ、親衛隊の子から逃げてたら噂の憂ちゃん見つけたからさぁ」



用なんてない
ただ、興味が沸いて話してみたくなっただけ


「憂ちゃん、帝さんの蹴り避けたんでしょうっ?」

「あ、いや。避け切れてはいませんよ…腕けがしたし…」

「帝さんの蹴りくらって腕の怪我で済むこと自体がもうすごいよ!どーりで帝さんがユウだと疑うわけね」

「!」

「まあでも他人らしいね?」

「あ、当たり前じゃないですか」


俺にはユウかどうかなんて関係ない
この退屈な毎日に珍しいことがおきたから
面白いだけ


「、西城先輩はなんで親衛隊から逃げてたんですか」


話題を変えた
あまり話したくない内容なのかな?

俺はあえて問いつめたりせず憂ちゃんの質問に答えた

「あーうん。今日は気分じゃないからさあ、相手する気しないんだよねえ」

「、?」


驚いてる。
だよね、俺来るもの拒まずで有名だからね


「意外って?」

「えっ あ…はい。」

「ぷっ。ははっ!憂ちゃん素直だね!」

「あっすみません…」


素直な子は嫌いじゃない


「いーよ。俺、そうゆう奴だからね」

「…あ」


憂ちゃんは鋭いみたい
俺のつい出てしまった一瞬ね表情を見逃さなかったみたいだ。
見られたくない、この感情。

これは、ごまかさないと面倒かもしれない


「つーことで!憂ちゃん、俺と思いで作りするっ?」

笑顔。
大丈夫、笑えてるはず


笑ってふざけたこと言えば



「先輩、」

「ん?」

「本命作ってみてはどうですか?」

「へ?」

「本当に好きな人ができると世界が変わって見えますよ。片思いでも些細なことで嬉しくなったりします」

「…」


本命なんか作らない
いや、作れないんだ

好きな人ができると幸せな気分になるということは知ってる


でも俺は人を好きにはならない
人間は醜いから…
恋愛は人を醜くさせる



「人を…嫌わないで、好きになってください」

「!」

「今よりかなり楽しくなりますよ」




全部、見透かされているのだろうか
人間なんて簡単に醜くなる
恋愛っていう感情は一番、醜くさせる

馬鹿みたいに。
簡単に騙されて


本当に、馬鹿みたいだ。



こんなこと、思ってる自分が馬鹿みたいだ




「存在を認めて。関心を持って、そうすれば今とは異なったものがありますから」


「憂ちゃん…。」


憂ちゃんを見た

綺麗だった…。

醜い人間なのに
どこか儚く、そして、綺麗だった


「もっと笑ってください」


憂ちゃんは俺の頬に手を当てた
涙を拭うような仕草

涙は流れていない
でも間違ってはいない

俺は憂ちゃんの手の上に自分の手を重ねた


「ありがとう…」

「いや、」


俺は求めていたのだろう
俺の世界観、価値観を壊してくれる奴を








そして、見つけた


もう、離さない
















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