普通じゃない…つまり異常だ。




この学園の新勧はゲームをする
と、いうかこの学園はイベントが大好きだ


娯楽のないのだからしょうがないともいえる



そして一年で一番最初にあるイベントが[新入生歓迎会]
と、称したゲームだ


ここは小等部からエスカレーター式の私立の有名な金もちのぼんぼんが通う藤城学園だ
噂によると幼稚園も付属であったりなかったり…






まぁ、つまりだ
中等部から高等部に上がってくるだけなのだから顔見知りだらけだ

たまに外部生がくるらしいが俺等の学年にはいない
それなのに新勧をやる理由は一つ






暇だからだ


暇つぶしゲームにすぎないんだ 坊ちゃんたちにとっては






しかもこのゲーム
考えるのは生徒会らしい…



去年は隠れ鬼だったらしい

隠れている生徒会を見つけておっかける
ちなみに捕まったのは会計の西城色ただ一人だったそうな…


一昨年は確か宝探しゲーム




意外と素朴だ
宝の中身が素朴じゃなかったらしいがな



てなわけで
今年は何になるか…
帝さんたち次第である






「新勧まであと一週間かあ!」
「楽しみだね!」
「また生徒会とかが褒美だったらいいのにね!」
「僕、頑張ろう!」


きゃっきゃっ騒ぐ生徒会信者


俺たちは一年生だ。
高校初のイベント
持ち上がりということで先輩たちから話を聞いたりはしている
俺は噂で聞いたが











「変なのじゃなきゃいいね」


いつのまにか隣にいた真哉が言う


「そうだなぁ」

「強制参加が気に食わねえ」

「また言ってんの〜?毎年毎年…あきらめなよー」


そう、これ強制参加なんだ
でないと単位が貰えないらしい…


「参加したくねぇんだよ」

「確かにねぇ…面倒だし」


怜と真哉は機嫌がよろしくないみたいだ

人気者にとってこのイベントは楽しめないらしい…



普段と違う雰囲気なので
勇気を出して告白してくる人なんかも多いらしい

押し倒されたりなんてする人がいるから可愛そうだ







「ま、怜と一緒にいると怜が良い虫除けになってくれて助かるよ」

「あ゙っ!?虫除け!?」

「うわわっ、落ち着けって怜」

「…チッ」

「ほらー真哉のせいだぞ」

「えー。…ちぇ。ごめんごめーん」





謝る気…ないなこいつ



「とりあえず、変なのじゃなきゃいいな…」

「全くだよ」


俺はとりあえず適当に頑張らないで過ごすから関係ないな




「憂ちゃんはあんまり一人行動しちゃだめだよ?」

「え、」

「出来れば俺たちと一緒にいろ」





手紙、バレたんだろうか…


「新聞見て怒ってる人は多いんだからあ」



「あ、新聞…」

すっかり忘れてた


「…生徒会に近づいちゃだめだからね?」

「わかってる」


俺は平凡生活を取り戻すんだ!
だからもう生徒会には近づかない

それから授業を難なくこなして昼休みなどを迎えてが親衛隊から制裁がくるかと思いきや意外に今日はなく無事、俺は放課後を迎えることができた



そして、怜が呼び出し(多分告白)をくらったので真哉と二人で帰った




春は一緒には帰らないらしい…
部屋の前につき真哉と分かれた後で携帯を忘れたことに気づき一人教室に取りに行った


1人での行動は危険だと怜達に言われているが
怜はまだ帰ってきていなかったので帰ってくる前に行けばバレないと思い
俺はダッシュで忘れ物を取りに行った











この日携帯を教室に忘れなければ

この時誰かと一緒に行ってれば

俺はまだ頑張れば平凡に戻れたかもしれない



もう俺は平凡には戻れなくなってしまった