「……はいOKです!次休憩挟みまーす。」
輝かしいスポットライトにカチンコの音。
上がった息を整えればスタッフがタオルを持ってやってくる。
「零さんお疲れ様ー!」
「コナン君もお疲れ様。さっきは思いっきりぶつけちゃったけど大丈夫だったか?」
「スタッフさんがちゃんと受け止めてくれたから大丈夫!」
ニコニコと笑うコナン君は流石あの大女優藤峰有希子の血を色濃く継いだ実子で、このシリーズのオーディションの際わずか6歳ながら
"この作品の主人公を演じられるのは世界中を探しても彼しかいない"
と監督に言わしめた天才子役である。
「…それにしても零さん凄いよね。シリーズに出てきてすぐ準主役、それで今回の映画でもう主役でしょ?」
「本当にね。このシリーズはドラマの中でも異例の長寿番組だし、応援してくれたファンや俺を安室透に起用してくれた青山先生達には感謝しなきゃ。」
吹き出る汗を拭いながら談笑を交わす。
大人が見ても度肝を抜かされるような天才子役と並んでの主役はプレッシャーも大きいけれど、だからこそ満足のいく演技が出来た時の達成感は計り知れない。
「5分にシーン62いきまーす。スタンバイお願いします!」
「「はい!」」
メイクや服を直して、再びスポットライトの元へと駆け走る。
あぁ、これだからこの仕事は辞められない。
名探偵コナン(Detective Conan)、通称DCは青山剛昌脚本の超人気サスペンスドラマシリーズである。
そんなドラマに情熱をかける、若きキャスト陣の一幕を切り取ってお見せしよう。
(そういえば今度このシリーズの新キャストで零さんの好きな女優さんが来るね!)
(!コ、コナン君どこでそれを…!!)
(えへへー!この間雑誌の取材で話してたの偶然聞いちゃったんだ!)
(全く…抜け目ないんだな、君は。)
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