私がマルコ先生に出会ったのはある晴れた日のことだった。
それから私は彼に夢中なのである。
お昼休みが楽しみで楽しみで仕方無い。


「名前、飯買いに行くぞ。ルフィも起きろ!」
「あ、ウソップごめん!!私用があるんだ!」
「今日もか?最近毎日じゃねえか。」
寝起きのルフィが不機嫌そうな顔になっている。
最近帰りも別々だから幼馴染としては怒るとこなんだろうか。

「あ、起きたか。ルフィちゃんと財布持ったのか!名前まさか彼氏か!!?」
ウソップがニヤニヤした顔で言う。
カヤちゃんのことで散々泣きついてくる癖に他人のこととなると別なのだから本当に勘弁してほしい。

「彼氏?」
「なっ、ち、違うよ、実はあれだよ。勉強で分からないところがあって聞きにいってるの!あ、ルフィおにぎりいっぱい作ってきたからあげるね!」
「おっ、ありがとな!」
「ブハッ、それ絶対嘘だろ。」
「うるせーよ!ウソップと一緒にしないでくれる!私は優秀な生徒だからね!」

私はウソップとルフィにそう言って勢いよく校舎を飛び出す。
早くしないと先生と一緒にいれる時間が減ってしまう。


「先生!」
「おー名前来たのかよい。」
「今日もいい天気ですね。」
そう言いつつも先生の顔を見たらかっこよすぎてにやけてしまう。
「お前はいつも楽しそうな顔してるな。」
「そ、そうですか?私も鳥が大好きで…!」

先生のせいでにやけてるなんて言えない。






私が初めて先生と出会ったこの場所は体育館倉庫の裏である。
別に呼び出されたとかそういうわけじゃなく、みんなでかくれんぼしてたら偶然先生を見つけた。
その時は用務員さんか何かかと思っていた。
先生は鳥にえさをやってて、鳥を見てすごく楽しそうに笑っていたから驚いて思わず話しかけてしまった。

「あの、鳥と話せるんですか!?」
「は?」
その時の先生の驚いた顔が忘れられない。
「話せねぇよい。ただ昼飯の残りやってるだけだよい。」
「あ、」

そう言って笑う先生を見て体が雷に打たれたみたいに衝撃が走った。
私絶対この人のこと好きだ、って直感した。
「あ、あの、いつここにいるんですか?」
「毎日だよい。」
「私も一緒に餌やっていいですか。鳥がすごく好きなんです!!」
「…いいよい。」

そう言って先生は笑った。
何かおかしかっただろうか、と思っていたら、そんなに鳥が好きなやつに初めて会ったよい。変なやつだな。と笑われた。
笑われたのに何だかすごく幸せな気分になった。

そこで毎日来る約束をして、かくれんぼのことを忘れていてみんなに怒られたけど、ずっとふわふわしていた。
ナミが怒りすぎたかしら、と心配してくれた。



そんなこんなで今に至るのだ。
先生と昼休みを過ごすようになってしばらく経った。
会話の中で先生が社会の先生だってことと、エースの担任だってことなどが分かった。
エースの担任だと聞いたときは心底エースと入れ替わる方法を考えた。
ある漫画にぶつかったら入れ替わるみたいなことがそういや書いていた。


毎日他愛無い会話で終わるのだが、本当にその日常でさえ愛しく感じるのだ。

「先生、今日は金曜日だからまた来週ですね。」
「月曜日は雨らしいよい。」
「えっ!(がーん)」

すごくショックを受けていたら頭をなでられた。
先生にとって私も鳥と同じくらいに好きでいてもらえたらいいなあ。
でも鳥だと先生と話せないから嫌だな。


「…また晴れた日にな。」
先生は何か考えた顔でそう言った。


















20100226
マルコの笑顔には誰しもがやられます


軽い設定 (多分登場する人たち)
D兄弟→幼なじみ
ウソップ→同じクラス 仲良し
ナミさん→違うクラス 仲良し
シャンクス→担任
ロビン→保健室の先生

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