エニエスロビーに着いた。
久しぶりに帰ってきたこの地は地獄みたいに感じた。
ジャブラやクマドリやフクロウに再会できたことは嬉しいのだが。


長官は気が狂ったみたいに囚人に暴行を加えていた。
隣のフクロウがブルーノに麦藁が侵入した、と話すのが聞こえた。
ニコ・ロビンをうらやましく感じた。

しばらくして部屋に戻るように言われ、私たちは出ていく。
悪魔の実を食べるカリファとカクに呼び止められたが疲れてるの、と言って自室に戻るふりをして外に出る。
ブルーノは麦藁と戦いたいのか屋上にいた。
私はドカーン!とかガシャーン!と騒ぎのする方を見れば戦争みたいになっていた。
他にも侵入者がいるのなら殺してしまおう、と私はその場に移動する。

たくさんの衛兵がやられていた。

「名前!」
遠くから声が聞こえた。
振り返らなくても誰か分かった。
パウリーは生きていたのか。
その事実だけで泣きそうになるが堪える。


「名前!」
オイ!返事しろ!!!!と喚く。
私は無視をし、適当にそこにいた男に指銃を加える。
こめかみを狙えば一発で動かなくなる。
パウリーはこんな私を見て恐怖や絶望的な感情しか抱けないに違いない。
いやむしろ憎しみや怒りか。
もうパウリーに期待をしてはいけない。
私はCP9なんだ。


「こっち向けって言ってるだろうが!!!!!」
「!」

パウリーは傷だらけ血まみれの体で私を振り返らせる。
あんなに離れたところにいたのに。


「私はパウリーを殺せるわ。」
「うるせえ!」

そう言って私はパウリーに抱きしめられる。
何でこの男はこうなんだろうと思う。
私がもしパウリーだったら恩師の命を狙ったとあれば彼女だろうがなんだろうが殺したくなるだろう。



「離して!」
「おい!」

今まで私の恋人だった男たちは私のこの殺傷能力や冷酷さを見ると恐れ慄いた。
化け物め!と襲い掛かる男もいたし、頼むから殺さないでくれ!とか、愛してるからやめてくれと言い逃げる男ばかりだった。
誰もが私の存在を認めてくれないのだ。


私は堪らなくなって涙が出る。
私はパウリーを殺すことが出来る。

「別れたでしょう。」
「俺は納得してなかったはずだ。」

だがそれはしない、と誓ったのだ。

「私が怖くないの?」
「怖くねえよお前なんか。」
「私CP9よ。」
「俺の中ではおまえはただの名前だ。」


パウリーはいつだって私のほしい言葉をくれるのだ。

「ごめんね。ありがとう。」
「…。」

私は涙が止まらないのににやけてしまう。

「私パウリーが大好きこれから先も一生。」
「俺もだ。」

パウリーか血だらけの顔で笑う。
私がパウリーに恋をしたあの日みたいだな、とおかしくなる。
パウリーは驚くほどに照れ屋で、変なやつだった。
実際はそんなに変わってないのかもしれない。
でもパウリーといた4年間は毎日変化だらけだった気がする
私はパウリーと過ごすたび、彼への気持ちは大きくなっていった。
一緒に幸せになれたらいいな、と何度も思った。




「じゃあ別れましょう。」
「…。」
「私はもうパウリーと一緒にはいられない。」
「お前はそれでいいのか?」
「決めたのよ。」
「…分かった。」


何故かパウリーまで泣いていて、別れ際なのに全くかっこよくないね、なんて言うといつものように顔を赤くして怒る。
私はパウリー今までありがとう!!!と、泣き喚く。
うるさい馬鹿、と泣きながら笑うパウリーに再び抱きつく。

それから軽くキスをして鼻水と涙でぐちゃぐちゃな顔の私は同じく鼻水と涙でぐちゃぐちゃな元彼氏にさよならをする。
























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