任務に就いてから1年。
CP9としては生ぬるい任務で退屈だが何とかやって来れている。
私や他のみんなも驚くほどウォーターセブンに馴染んだと思う。
裏の顔は冷酷な人殺しのみんなが持て囃されているんだから笑える。
私も含めてだが。

ヤガラに乗っている私にニコニコと手を振る町の人に笑顔で応える。
おじさんにまた遅刻かい?なんて笑われる。
あはは、目覚ましかけるの忘れてたのよー、なんて笑う私。
何て平和なのだろう。
ガレーラに着けばルッチが待ち構えていた。
私は自分の顔が引きつるのが分かる。


「おはよう。」
『おはようじゃねえッポー。』
遅刻すると必ずルッチがいる。
そして長々と説教されるのだ。

「あーまたルッチなの。タイムカード押さなくちゃいけないんだから説教は後にしてくれない。」
「遊びじゃねえんだぞ。」
「腹話術忘れてる。」
『聞いてるのかッポー。』
「分かったよ。すいませんでしたね。」
そう言えば怒ったルッチに突き飛ばされる。
それが謝る奴の態度か!と怒っている。
肩のハットリが私を心配そうに見ている。

派手に突っ込んだのでカクとパウリーが何だ何だと見に来る。
「またお前らか、騒がしいと思ったら。」
カクが呆れたように私とルッチを見ている。

「カク!ルッチがひどいの!私を傷物にしようとする!」
『カクに助けを求めるなッポー。あと気持ち悪い言い方はやめろ。』

わあわあ、と騒いでいたら名前、危ない!!!という声が聞こえる。
上を見れば派手に突っ込んだためか、木材が私目掛けて倒れてくる。
ルッチはそんな危ない目に遭いそうな私を助けるどころかフッと鼻で笑い眺めている。
任務が終わったらジャブラと立てていたルッチ殺害計画を遂行しようと思った。
とりあえず腰をあげようとしたら、パウリーが飛び込んできた。

「うわっ!」
「伏せてろ!」

そう言われ私はパウリーに抱きかかえられる。
ガラガラと倒れてくる木はパウリーに容赦なく襲い掛かる。
私はどうしたものか、と思ったがとりあえず救助されるのを待とうと思いパウリーに抱えられた形で待機する。


「大丈夫か?」
しばらくしてカクに木材の山から助けられる。
パウリーはそこら中怪我をしていて、血だらけだった。
腕が明らかに変な方向に曲がっていてカクにこれじゃしばらく仕事は出来んぞ、と言われショックを受けていた。

「パウリー、ごめんなさい。ありがとう。」
「そんなことよりお前怪我はねえのか!?」
「どこもないわ。」
「そうか!よかった!」

そう言って笑うパウリー。
自分が骨折してまで私のことを助けてくれるなんて…。
何だかドキドキしてきた。
パウリーがすごくかっこよく見える。


「顔赤いけどお前大丈夫か?頭でも打ったのか?」
「ああ、またか名前…。」

カクは私を見てため息をつく。

「パウリーわた、私!」
「ん?」
『馬鹿言ってないでさっさっと病院行けッポー。』
「ああ、それもそうだな。」
「私も行く!」
「お前はここで待っとれ。」

ルッチに髪を引っ張られ、カクに服を掴まれパウリーは一人病院に行ってしまう。
一人で行かせるなんてあんまりだ。
とりあえず隣にいるルッチを蹴る。


『…死ね。』
「お前が死ね。」
「あーもうお前らいい加減にせんか!」
「だ、だってカク…!」
「大体パウリーに惚れてどうするんじゃ?」
「どうするって…、私のものにするけど。」
『どうせ今までの恋人たちのように殺してしまうッポー。』
「それはまずいぞ名前。パウリーが持ってる可能性もあるんじゃからな。」
「殺さないよ!大体今までの元彼は嫌な奴だったから殺しただけだけだし。」
『お前最初はいつだってそう言ってるッポー。』
「うるさい!」
「ああ、もうとりあえず遅刻したんじゃろ。早く行け。」
「だめ!今日は休む!パウリーのお見舞いに行く!!」
『名前早く仕事に行けッポー。言うこと聞かないんならもう帰れ。』
「貴様の指図は受けんわ。若造め。」

そう言えばルッチから頭突きをくらう。
すごく痛い。

「名前が一番年下じゃろうが。」
「ルッチより精神的に年上だし。それにカクとも変わらないでしょ。」
「あーもう分かった分かった!じゃあ今日仕事頑張ればパウリーに何しても許してやろう。だから今日は行くんじゃ。」
「仕方ないないわね…。」

今日のところは仕事に行くことにする。











人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -