ガラリと教室を開ければウソップとナミがいた。
私の顔を見るなり何か察したのだろう。
とりあえず学校から出ましょうとナミに連れられ学校を出る。
ナミもウソップもどう言葉をかけていいのか分からないのだろう。
二人は心配そうに私を見ている。
「どこ行く?」
「あー…名前行きたいとこあるか?」
「…カラオケ。」
「「よし、じゃあそこ行こう!」」
ウソップとナミを見ればものすごく作った笑顔で笑うものだから、思わず笑ってしまった。
二人にしては珍しく気を遣ってくれているらしかった。
道中ウソップがおもしろい噂話で必死に場を盛り上げようとしてくれた。
カラオケに着けば店員に部屋に案内される。
「名前結局どうだったの?」
「!?ナミ!!」
ウソップは信じられないという顔でナミを見た。
「…振られちゃったや。」
へらっと笑えばナミに抱きしめられる。
ナミは私の頭を優しく撫でる。
「っう…うっ」
ずっとずっと我慢してたのに涙が出てきた。
堪えきれず、涙も鼻水もぽたぽたスカートの上にたれた。
「名前あんたは頑張ったわよ。」
「そうだお前は頑張った!」
「ありがど…っ!」
いつの間にかウソップも近くにいて私の頭を撫でてくれる。
「名前、私たちは友達でしょ。泣きたいときは我慢しなくていいのよ。」
「そうだぞ!」
「うん!」
あんなに悲しかったのに今はぜんぜん平気だ。
自然に笑みがこぼれる。
では俺からそげキングの歌を歌います。
という具合にいつもどおり私たちの騒がしいカラオケが始まる。
「喉ガラガラだー。」
「俺も。」
「もうこんな時間ね…。」
騒ぎすぎて疲れたが、すごく元気が出た。
ナミもウソップも楽しそうに笑っていて嬉しい。
「じゃあウソップの家で2次会ね!」
「それいい!」
「お前ら俺ん家来すぎなんだよ!!!」
まあいいけど…、とあまり乗り気じゃないウソップ。
「ありがとう。」
少し恥ずかしくなって俯いてそう言えば二人は当たり前だ、と笑った。
「名前、俺お前がどうするにせよ絶対応援するからな!」
「そうよ。まだ諦めきれないでしょ?」
「分からないけど…。」
ニカッと二人が笑うから私も笑った。
まだ諦めなくてもいいのかな、と思えた。
0502