吐く息が白い。
寒い寒い冬も終わりが近づいている。
エースも無事志望校に合格し、私はと言えば相変わらず世界史のテストでは満点がとれないままである。


「名前、寒いのにまだいたのかよい。」
「あ、今日約束の日ですし…。」

私は毎週あるマルコ先生との補習だけは欠かさず行っていた。
勉強を教えてもらって、時間があれば他愛ない話をする。
私にとってそれは楽しくて仕方ない時間だ。
そして今日はなかなか来ない先生を資料室で待っていたところである。


「そんな不安そうな顔しなくても迷惑だなんて思ってねえよい。」
悪かったよい、遅くなって。と、笑って、私の頭をわしゃわしゃする先生。
私は先生に頭を触られるのが大好きである。
先生の手が頭に触れる感触は心地良い。


「何で分かったんですか!?」
「お前は思ってることが顔に出やすいんだよい。」

今は恥ずかしい。という顔をしているかもしれない。
それが先生には丸分かりってことなのか。
気をつけよう。



「もうすぐ学年末考査だよい。」
「そうですね…。」

憂鬱だ。テスト期間中は先生に会えないし、終わったら春休みが来る。
またしばらく会えなくなるなんて嫌だな。


「今回は満点とれそうかい?」
「が、頑張ります!」
「まあ秋からお前はよく頑張ってきたと思うよい。」


そう言って、私の頭をなでるマルコ先生。
こんなにも気持ちいいから、私の頭はマルコ先生に触ってもらうために創られたのかと錯覚しそうになる。


「満点とったらご褒美のこと覚えてますか?」
「あー…まあ覚えてるよい。」
「何でもいいんですか。」
「何でもって言っても俺がやれそうな物だけだよい。」
「じゃあ満点とったら先生に報告しに来ますね。」
「給料日前なんだから、高い物は勘弁しろよい。」


先生は困ったように笑っている。
ただ笑ってる先生を見るだけなのに苦しくなる。
本当に病気かもしれないと、ロビン先生のところに行った程だ。
私はやっぱりどうしようもなく先生のことが好きだ。
生徒だからって逃げてちゃ一生後悔する。
私は先生に気持ちを伝えたい。
春休みも夏休みも冬休みも卒業してからも一緒にいたい。











20100414
秋36点→冬89点
赤ペン先生級マルコ




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