ルッチのことが本格的に嫌になってきた。
理由は挙げたらきりがないのだが、主な理由は変態で鬼畜でナルシストだからだ。

「ルッチのことが嫌いです。」
「へー、って何で俺のところに来た!?」
「長官命令でルッチをCP9から外して下さい。」
「無理に決まってるだろ!」

長官は青ざめた顔でぶるぶると震えている。
どれだけルッチが怖いのだろうか。
言ってしまえば、私もルッチが怖い。
ルッチは異常な愛情を私に向けてくるからだ。
ルッチの束縛が異常になってきたのである。
俺以外の男と話したらその男とお前を殺す、と言われた。
その場で私を監禁しようとしたルッチだったが、泣いて土下座までしたら許してくれた。
嗚呼、何て歪んでるのだろう。


「え、それを聞いて俺はどうしたらいいの。」
「ルッチをどうにかして私から遠ざけてください。」
「馬鹿か!そんなの他のやつに言えよ。」
「馬鹿はあなたです。他の仲間を危険な目になんてあわせられません。」
「誰が馬鹿だよ!そして俺の扱いどれだけ悪いんだよ!」
もう頼むから出て行ってくれと喚く長官の息の根を止めてやりたくなったが、
この男には協力してもらわなければいけない。

「権力を持つあなたにしか頼めないのです。」
「…。」
「お願いです、長官。」
「嫌だ。」

こいつ…。
もう仕方ないとこめかみに指をあてれば泣き喚く長官。

「ば、ばか、やめろ!!!」
「では、協力してくれますね。」
「だ、だったらお前が出て行けばいい。辞令を出す。もうお前は自由だ!」


相変わらず赤子の様に泣いている長官だった。
しかしとてもいい案を出してくれた。
考えてもみなかった。
これでルッチからも逃げられるし、他のCP9のみんなが危険にさらされることもない。
一石二鳥だ。

「分かりました。お元気で。」



涙を流し喚く長官をとりあえず黙らせようと一発お見舞いして、気絶させる。



私はようやく自由の身だ。
出て行くぞ、と振り返ればルッチがいた。
戦慄する私。


「何してる。」
「何もしてません。」

入り口にいたルッチは私の目の前に来て頭を掴む。

「俺が嫌いか。」
「嫌いじゃないです。」
「…俺は五年間任務に行く。」
「え!?」
「お前はここに残るんだ。だから、俺はお前を監禁したい。」
どうしてそこから監禁するという考えになるのか理解不能だ。

「お前が俺のいない間に変な虫がついたら困るんでな。」

ニタリ、と笑うルッチは拘束器具を持っていた。
飯はクマドリが持ってきてくれるから心配するな、と言われる。
私はとんでもない男に好かれてしまった。





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