私は今社会科資料室の前にいる。
今日はマルコ先生に勉強を教えてもらう日なのであった。
昼休みの段階でマルコ先生のことで頭がいっぱいだったため、弁当を全部ルフィに食べられてしまった。
でもマルコ先生に会えるからそんなの気にならない。


「失礼します!」
「あれ?名前?」

ガラリと戸を開ければエースとマルコ先生がいた。 どうやらマルコ先生に勉強を教えてもらっているようだ。


「どうした?俺を探してたのか?」
「違うよい。」


今日名前の勉強見てやる約束してたんだよい、とマルコ先生。


「マルコに?」
「俺が教えたら悪いのかよい?」
「名前、お前の分からないことは俺が教えてやるよ!」
「えっ!」

エースはニカッと笑ってそう言う。
「そんな暇があったらこの数式さっさと解けよい。」
そう言われ、ぶーぶー言いながらプリントに目線を落とすエース。


「マルコ先生数学も出来るんですか!」
「一応教師だからな。赤髪の馬鹿とは違う種類のな。」

何でも出来ちゃうマルコ先生かっこいい。
シャンクスとは比べ物にならない。
私はニヤニヤしそうなのを必死に堪える。


「名前、こっち来て座れよい。」
「名前!駄目だ。俺の隣に座れ!」

エースが勢いよく自分の隣の椅子をドンと叩く。
マルコ先生はハァ、と溜め息をついた。

「じゃあこの馬鹿の隣に座ってやれよい。」

そう言われては仕方ないのでエースの隣に座る。
でもマルコ先生の顔がよく見えるから正面でもいいかもしれない。
いや見えすぎて逆に見れない。
マルコ先生がキラキラしている。


「マルコ、名前は俺の幼なじみだからな!」
「知ってるよい。」
「変なこと考えるなよ!」
「お前がな。」


そして、私とエースはマルコ先生が作ってくれたらしいプリントの質問に答えていく。
全く分からないため答えが書けない。
このままだと白紙だ。
隣をチラリ、と見れば数学の証明問題を解いてるエース。
ほとんど埋まっている。
また呆れられる。泣きそう。


「名前、最初は教科書見ながらやっていいから来週までに覚えて来いよい。」
「あ…」
「分かれば面白いもんだよい世界史は。」

そう言って私の頭をわしゃわしゃするマルコ先生。
「呆れないんですか?」
「呆れないよい。最初は誰だって分からないものだよい。だから努力するんだよい。」

ああ、もうやっぱりマルコ先生大好き。
先生から発される言葉全てに心臓が締め付けられる。

「出来た!…って何してんだよマルコ!?」

わしゃわしゃしている手をぶったぎるエース。


「まだまだガキだなエース。」
「うるせぇ!名前は妹みたいなもんなんだ。悪い虫は寄せ付けないようにしないとな。」

わあわあと喚くエース。
エースは普段は本当にいいお兄ちゃんという感じなのだが、たまにこうなると面倒臭い。


「ハイハイ、悪かったよい。」
そう言ってエースの答案に目を通すマルコ先生。
あのエースをこうも軽くあしらえるなんて流石だ。


「…満点だよい。」
「よっしゃ!」

すごい!
エースも流石だ。
夏休みも頑張っていたしね。


「マルコー期末の件忘れてねえよな?」
「…。」
「何かあるの?」
マルコ先生は焦り顔で黙る。
何やら深刻そうだ。

「今度の期末で数学のテスト満点だったら焼肉奢りなんだよ。」
「数学苦手なお前には無理だよい。」
「まあ頑張ってる俺へのご褒美ってとこだな。」
「聞けよい。」


マルコ先生からのご褒美…。
私も欲しいな。


「じゃあ名前も世界史のテスト満点だったらマルコに何かもらえよ。」
「エース、調子に乗るなよい。」
「いいんですか!」
「あのなあ…、まあ満点だったらだよい。」

マルコ先生のご褒美なんて贅沢すぎる。
何が欲しいだろう。


「ほら、もうこんな時間だ。帰るよい。」
マルコ先生がそう言うので、時計を見たら9時が過ぎていた。
もっとマルコ先生といたいのになー、と言えるはずもない私は帰り支度を始める。

「先生ありがとうございました!」
「ああ、また来週な。」
「マルコ!焼肉だからな!」
「結果出してから言えよい。」


そして大好きなマルコ先生に別れを告げ、私とエースはちょうど部活が終わったルフィと合流して帰りました。
二人きりにはなれなかったけれど、楽しかったや。









20100331


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