「隊長こんにちわ!頭が痛いです!」
昼、俺が飯を食っていたら勢い良くバーン!と、ドアを開け、人の部屋に勝手に入ってくるのは俺の部下である名前。
「昨日お風呂の中でずっと隊長のこと考えていたせいだと思うのです!」
「はぁ?んなこと知らねぇよ。」
「知らないなんてひどいです!隊長が私の頭を支配しているせいでお風呂に4時間もいたんですよ!」
わぁわぁと横で喚く名前。うるせぇ。
勝手に人の妄想を風呂場でしてたとか、一体ナニしてたんだよ…って何考えてる俺。
「ぎゃん!」
「人が飯食ってる時くらいだまってろ…っておい。」
いつもの様に名前に勢い鉄拳制裁。
そのまま倒れた後動かなくなった。
まさか死んだのか。
「お、おい。悪かったから起きろよ。」
「……。」
「名前。」
「……キス。」
「は?」
「…姫は王子様のキスで目覚めるのです。」
こいつ…!
「誰が姫だよ!」
と思わず突っ込む俺。
うつ伏せになっている名前をひっくり返して、仰向けにする。
顔が真っ赤だ。
いつもどんな恥ずかしいことでも無表情で言えるこいつがどうしたんだ。
「お前熱あるぞ。」
「何でですか。」
「それは最初にお前が話していた中にあると思うぞ。」
ああ、本当に世話の妬ける部下だ。
額を触れば、熱はかなりあるようだった。
風呂に四時間も入っていれば、水風呂につかっているも同然だ。
仕方ないので不服だが名前を抱え、ベッドに連れて行く。
「たたた、隊長いきなりそんなのはちょっと…、ででも隊長なら!」
「殺すぞ。」
ひええ、と相変わらずうるさい名前。
とりあえず寝ろ、と俺のベッドに寝かせる。
「隊長が優しい!」
「そんなのいつもだろ。」
「…。」
「てめぇ。」
「…隊長、寝ますから離れないでくださいね。ここにいてくださいね。」
いきなり、しおらしくなり、弱弱しくそんなことを言うもんだから、名前を不覚にもかわいいと思ってしまった。
20100303
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