やっと晴れて、私はと言うと、会いたくて仕方ない先生の所へ走る最中だ。
「先生!」
「おー名前、久しぶりだよい。」
二週間ぶりくらいに会う先生は最初と会った時と同じくらいキラキラしていて、私は再会の喜びを噛み締めた。
いなかったらどうしようと言う不安もあったせいで、喜びはなお大きく感じた。
「名前。」
ポンポンとマルコ先生は自分の隣を叩く。
どうやら隣に座っていいみたいだ。
私はそこへ座る。
先生は私の頭を撫でてくれる。
うー、ドキドキする。
「っ、久しぶりですね。」
「会いたかったかい?」
そう言って笑うマルコ先生。
なんてかっこいいんだろう。
「は、はい!」
と言えば、ブハッと吹き出す。
何がおかしいんだろう、と思えば、お前は本当に分かりやすいやつだな。と笑われた。
先生が笑うのは嬉しいんだけど、もしかしたら私が好きって事がバレているかもしれない。
そう思うと一気に恥ずかしくなる。
「雨だと鳥も降りて来ないからな。」
「へ?あ、そうですね。」
「良かったな。晴れると名前の大好きな鳥に会えるよい。」
「…そうですね。」
会いたかったかい、ってマルコ先生にって意味じゃなくて、鳥に、って意味だったのね。
良かったような残念だったような。
「また晴れたから来てもいいですか!」
「好きにしろよい。」
「っへへ!」
「…何だよい、その不気味な笑みは。」
「べ、別に何でもないです。」
嬉しくてにやけてたなんて言えない。
また晴れが続くみたいだから毎日会えるなんて、嬉しい。
ご飯も食べて、鳥に餌もやって、二人でゆったりと会話する。
「もうすぐ夏休みですねー。」
「そうだな。」
教師は夏休みも仕事だよいと、ため息混じりの先生。
夏休み始まるとまた会えなくなってしまう。
嫌だなあ。
まだまだ先生といたいのに、一ヶ月近くも会えないなんて。
「じゃあ、もう授業も始まるし行くよい。」
「…」
「?俯いてどうしたよい?」
私の顔を覗き込む先生は、なんだかすごく大人に感じた。
私はただの生徒にしか見えてないんだろうな、当たり前だけど。
授業なんか行かずに、ずっと先生とお話したいです、なんて言えるはずもなく、
「眠くなってきました。」
「お前なー。起きろよい。」
と髪をわしゃわしゃされる。
何だか幸せだ。
すごくドキドキする。
先生といると胸のあたりがずっと締め付けられてるみたいぎゅうってなる。
苦しいけどこの感覚が好きだ。
ああ、やっぱりすごく好きなんだな。
そんな事を思いながら、私たちは校舎に戻っていく。
20100301
むず痒い
マルコに頭触られたい