自分の役割

――“火継(ひつぐ)”
それは物語を語り継ぐ者。神話、伝承、御伽噺に至るまで、古くからの物語を新しい世代へ伝える役目を担う者が代々引き継ぐ名前。
篝火に火をくべる松明のように、火継は物語を語ってきた。
火継の役目に個は必要ない。火継を名乗った時点でそれまでの自分は消えるのだ。それまでの名前を名乗ることは許されず、ただ火継としての役割を全うするだけの存在。火継とは名前ではない。火継とは役割。ただ物語を語り継ぐためだけの存在だ。




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