だいちゃんとなまえはなかよし。
たまにけんかしちゃうときもあるけど、いつもいっしょ。
ようちえんもいっしょ、おうちのおでかけもいっしょ。
ママとパパたちもなかよし。
ことしのなつやすみは、だいちゃんのおばあちゃんちになまえもいっしょにつれてってもらったよ。
たんぼのちかくのかわでザリガニとりもした。
しっぱいしちゃったけどね。
たのしかった。
「だいちゃん!いたよ!ザリガニ!」
「どこだ!オレのえものッ!」
「ほらココ!おっきいよ!」
「よっしゃ!よくやったなまえ!」
「はやくはやく!」
「わーってるって!あー…くっそー、もうちょいなんだけどな」
「とどかない?」
「もうちょい!なまえ、おまえちょっとオレのふくつかめよ」
「わかった!がんばる!」
「よし!もうちょい、もうちょい、」
「だ、だいちゃんっ、あんまりいくと、おちちゃうよ!」
「もうちょいなんだって!こんなデカイのにがせるかよ!」
「えええ!もうなまえひっぱれないぃ!」
「はぁ!?ってよし!さわった!つかまえ、ッいってぇええ!」
「ええッ!?」
バッシャーン!!!
「…だいちゃん」
「わりぃ!ゆびはさまれた!」
「うわぁん!ぬれちゃったあ!」
「わ、わるかったって!ほら、て、かせ!」
「うっ」
だいちゃんはやさしい。
けんかしたって、わるいことしたって、こうやってなまえがなくとすぐやさしくしてくれるんだよ。
だからなまえはだいちゃんがだいすき!
だからなまえ、ぜったいにだいちゃんとけっこんするの!
「あーあ、オレばーちゃんにしかられるな」
「なんで?」
「なまえなかした」
「もうないてないよ?」
「ばーちゃんにはすぐバレんだよ」
「おばあちゃんすごいね」
「あたまグリグリされんだよ。アレすげえいてーんだよな」
「それだけ?」
「それだけって、あれやられたらオレしぬ」
「ええ!しなないでだいちゃん!」
「し、しなねーよ!うそだ、うそ!」
「なんだぁ、よかったー」
「あとオレ、ばーちゃんとやくそくしてることがある」
「やくそく?」
「おー」
「なあに?」
「なまえをおよめさんにもらうこと」
「えっ!」
「なんだよ。いやなのか?」
「い、いやじゃない!なまえ、だいちゃんのおよめさんになる!」
「よっしゃ!やくそくだからな」
「うん!」
やくそく。
なまえ、だいちゃんとけっこんして『あおみねなまえ』になる!
ずっとだいすきだよ、だいちゃん!
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