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強面彼氏な加糖彼氏



「青峰くん…恥ずかしい」
学校帰り寄り道した公園で思わず漏れた言葉。
だけどそんなの聞こえないとばかりに、青峰くんの腕にぎゅっと力が入った。
ベンチに座った青峰くんの足の上…つまり彼の腿辺りに座らされた私は、後ろから大きな体と腕に包み込まれていた。
時折現れる通行人が居た堪れないという感じの視線を送って来る。
凄く恥ずかしいのだ。
人の目なんかまるで気にしない青峰くんは、私の髪に顔を埋めてスリスリと擦り寄って来る。
「く、擽ったいよ」
「いーじゃん」
「恥ずかしいし」
「誰も見てねーよ」
「見られてるから!」
「見せつけときゃいーだろ」
「や、やだ」
「ん…いー匂い。名前、シャンプー変えたか?」
「あー、うん」
「前の匂いも良かったけど、これも悪くねーな」
「そう?この前黄瀬くんにサンプル貰ってね、それ使って」
「黄瀬?」
「あ」
まずい。
凄く余計な事言った気がする。
言わない方が良かったかもしれない。
というか『黄瀬くん』って言ったのが間違いだった。
明らかに不機嫌な低い声が耳の後ろで響いた。
「なんで黄瀬から貰ってんだよ」
「知り合いに貰って余ってるからってくれたんだよ」
「…そんなん使わないでいつもの使えばいいだろ?」
「さっきいい匂いって言ってたくせに」
「他の男から貰ったってんなら話は別。しかも黄瀬とか、ねーわ」
「ただのシャンプーなのにな」
青峰くんは私が他の誰かと関わる事を異常な程嫌う。
それは主に男の子、特に黄瀬くんなんだけど。
黄瀬くんもそれを知ってて態と青峰くんをからかってくる所があるから困り者だ。
周りの友達からは青峰くんは『束縛男』だとか『怖い』だとか言われてる。
だけど、私はそんな風には思わない。
なんだか可愛く思えて、そういう所も好きなのだ。
見た目と中身のギャップもなかなかだと思う。
口は悪いけど優しいし心配性。
それは私限定だって、いつも友達から冷やかされるけど。
「何笑ってんだ」
「ふふ」
「なんだよ」
「ん、可愛いなって」
「はぁ?何が」
「青峰くんのそういうとこ」
「…お前のがかわいい」
「!そ、そういう事真面目に言わないで」
「しょーがねーだろ、ホントん事だしよ」
こんな風にストレートな所も…恥ずかしいけど好きなのだ。


だいぶ時間が経ったけど全く帰る様子を見せない青峰くん。
身動ぎすると、また抱き締める力が強くなった。
「そろそろ帰ろ?」
「もうちょい、充電させろって」
「もう十分でしょ?」
「足んねーよ」
「ホント…恥ずかしいから」
「無理、これじゃ明日まで保たねー」
「な、何それ」
「お前が足んねーの」
「っ、でもそろそろ…ね?」
「んじゃ、チューして」
「!?っぅえ!?」
急に体が浮いたと思ったら、目の前に青峰くんの顔があった。
軽々と持ち上げられて向きを変えられ、青峰くんに対面して跨っている状態。
大きな青峰くんにしてみたら、私なんか子供サイズなんだろう。
ていうか、この状況。
さっきよりもっと恥ずかしい体勢に顔に熱が集まる。
「その顔、たまんねー」
「!」
すぐ目の前にある青峰くんの喉がゴクリと音を鳴らして動いたのが見えてしまい、更に顔が熱くなる。
「あーもう、すげー好き」
「あ、青峰く…」
「かわい」
「っ」
「ったく…危なっかしいんだよお前」
「どこが!?」
「黄瀬にあんま愛想よくすんな」
「してないよ」
「もっと警戒心持て」
「か、考え過ぎ」
「しょーがねーだろ。お前がかわい過ぎんのがわりぃ」
「…もう勘弁してください」
「だから…あんま冷や冷やさせんなよ」
そう言っておデコに優しいキスをくれた青峰くんの頬は、ほんのりと赤らんでいた。





「大丈夫だよ。私、青峰くんの事しか見てないから」
「!おまっ、マジでチューすんぞっ」


END










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未来様へ
お楽しみいただけましたでしょうか?
主人公にメロメロでヤキモチばかりの青峰くんという事で、好き過ぎてどうしようもない感じを出してみたつもりなのですが。
ご希望の感じでなかったらすみません!
リクありがとうございました!

20140126



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