10万打リク | ナノ

OP事変



「青峰くーん」
「ん?」
「何をそんなに一生懸命見てるのかなぁ」
「おっぱいに決まってんだろ」
「…ドヤ顔で言うな」
せっかく一緒にプールに来たっていうのに、青峰くんと来たら巨乳のお姉さんたちを見てばっかりで私の事なんてほったらかしだ。
酷過ぎる。
まあ、確かに皆さん胸は大きいし美人さんが多いけど。
すぐ隣からジト目を送っても気付いてくれない。
どんだけおっぱいが好きなんだ。
「青峰くん!私泳いで来るからっ」
「おー」
「…」
ヒラヒラと手を振るだけでこっちを見ようともしない。
もう知らないんだから!
私だってイケメン探して目の保養して来るもん!
浮き輪を引っ掴んで青峰くんに向かってバスタオルを放り投げ、大股でその場を去った。
あーあ、1人寂しく流れるプールに浮かんでるのなんてきっと私くらいだ。
浮き輪の端に腕を掛けて、周りで楽しそうにじゃれているカップルを見つめる。
「…いいなぁ」
はぁと大きな溜息をついた途端…
ザバァ!!
「ええっ!!」
「っぷは!」
私の浮き輪から赤い頭が飛び出した。
浮き輪と一緒に立ち上がったその人は青峰くんくらい背が高い。
「あ、悪い。これあんたのか?」
「ふ。あはは!浮き輪、嵌まってる!!」
「なっ!笑い過ぎだろ!」
突然現れた火神くんという男の子、部活の皆と来たけど逸れちゃったらしい。
ちょうどいい。
遊んで貰う事にした。

暫くはしゃいだ後プールから上がると、遠くに未だおっぱいを目で追ってる変態を発見。
すると巨乳さんを追うその視線がこっちを捉えた。
『お』って顔したけど無視だ無視!
火神くんの腕を取ってフンッてしてやった。
そのまま別のプールに行こうとしたら、大きな声と共に物凄い力で腕を引っ張られた。
「名前!!!」
「ちょっ」
「…青峰!?」
「火神てめえ。何名前にちょっかい掛けてんだよ」
「お前かよ、おっぱい星人」
「ああ?」
「え、知り合い!?」
「チッ!来い名前!!」
何やらこの2人知り合いだったらしい。
青峰くんに来いって引っ張られたけど、当然私にそんな気はない。
「やだ。1人でおっぱい見てれば?」
「何怒ってんだよ」
「触んないで変態!」
「…お、おい名前」
「嫌!」
「待てって」
「無理!触んないで!」
バシっといい音を響かせて、私の手は青峰くんの手を払い除けていた。
ちょっとやり過ぎたかなと思いつつも、散々放っておかれた事を思い出してまた怒りが込み上げて来る。
そんな私の頭にポンと大きな手が乗った。
呆れ顔の火神くんだ。
「ちょっと苛めたら、許してやれよ」
小さく耳元でそう言ってもう一度頭をポンとすると、私たちから離れて行った。
火神くん超いい人。
彼の後姿をずっと見つめてから振り返ると、『ガーン』と音でもつきそうなくらい沈んでいる青峰くんが私の事を見ていた。
う、嘘…こんな青峰くんは初めてだ。
「あ、青峰くん?」
「っ!名前!」
「うえっ!?」
物凄い勢いでガバッと抱き付かれた。
その上ぎゅうぎゅう締め付けて来るものだから凄く苦しい。
「っ悪かった。もう、しねーから」
「ちょ、苦し」
「ほっといて悪かった」
「わ、分かった!分かったから!とりあえず戻ろ」
キャラ崩壊気味の青峰くんをなんとか落ち着かせて自分たちのサンシェードに戻る。
すると今度は座ったまま後ろから抱き締められた。
「名前」
「うん?」
「まだ怒ってんのか?」
「…そりゃあね」
「…」
「…」
「どうすりゃいい」
「そうだなぁ。キスとか?」
「ん、キスな」
「え」
軽い冗談で言ったつもりが、私を覗き込んだ青峰くんの顔がどんどん近付いて来て…
そっと唇が重なった。
お腹に回された腕にぎゅっと力が入って更に体が密着する。
素肌から青峰くんの熱が直接伝わって、プールで冷えた私の体も熱を持ち始めた。
ふっと唇が離れても青峰くんの顔は離れない。
どうしちゃったのか。
甘過ぎて怖い。
「俺が好きなの、お前だけだから」
「!」
「こうやって触れんのもお前だけだし」
「あ、青峰くん?」
「キスすんのもお前だけだし」
「あの…」
「色んなおっぱい見てたって、触りたいと思うのはお前だけだし」
「!何それ!なんか嫌!」
「とにかくお前が他の男に触られんのは許せねー」
「自分勝手」
「うるせーよ。お前は俺だけのもんだろ?」
「っ!」
恥ずかしい台詞を並べて頬を摺り寄せて来た。
言ってる事は凄く身勝手なのに、行動は甘えて来るとかズルイ。
結局のところ…
どうせ私はまた、そんな青峰くんの事を簡単に許してしまうんだ。
その証拠に、もう口元がにやけちゃって自分が気持ち悪い。
私だって、私が大好きなのは青峰くんだけ。
そーっと私の胸に伸びて来た怪しい動きをする手を抓りながら、青峰くんの頬に口付けた。


「俺、あんな青峰初めて見たわ」
そうだ。
火神くんにいつか今日のお礼しなくっちゃ。


END











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のぞみ様
お楽しみいただけましたでしょうか?
青峰、おっぱい星人と行くプールの巻、ギャグかと思いきやの甘々という事で…甘さ、足りてるか不安です><
火神くんにもただのイイ人として登場して貰いました(笑)
ちなみにタイトルのOPはすいません、オッパイです(土下座
お気に召していただければ幸いです。
リクありがとうございました!

20140131



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