空と空色と/グリムジョー | ナノ

07 人間の女

   -grimmjow side-

おもしれぇ玩具を見つけた。
人間の女。
俺の姿が見えるらしいが霊圧は微塵も感じねぇ。
現世に一歩踏み出した瞬間に感じた強い視線で、コイツを見付けた。
怖がって腰抜かすか、助けを叫ぶか、…俺の予想は見事外れた。
なかなかの速さで逃げ出しやがった。
すぐ捕まえてやったけどな。
大して怖がりもせず、よく喋りやがる人間の女。
俺の事を「死神」かなんてほざきやがった。
思わず笑った。
この俺が敵だったヤツらと間違われるなんてな。
おまけに聞いてもねぇのに自分の名を名乗ってきた。名前とか言うらしい。
益々おもしれぇ。
俺はコイツに興味が湧いた。
つまんねぇ虚圏に居るよりは面白そうだ。
しばらくこの玩具で遊んでやる事にする。

俺の名を教えてやった。
1人でブツブツと呼び名を考えてやがったが、変な言い方したから叩いてやった。
クッ
あんな一発で意識飛ばしやがった。
人間なんて相変わらず脆い生きモンだ。
しょうがねぇから、後ろにひっくり返る前に抱き留めてやった。
軽くて柔らかくて華奢で
ほんの一捻りで握り潰せそうな体。
寝かしてやれば、寝言なんざ溢しやがった。

「グリム、ジョー…」
俺の名は覚えたらしい。
何故か胸の辺りが痒くなって、掻きむしった、気持ちわりぃ。
あまりにグースカ寝てやがるから起こしてやった。
相変わらずこの俺に口の利き方がなってねぇ。
が、気が強いヤツは嫌いじゃねぇ。
益々興味が湧く。
俺の下僕発言にも反発してきやがった。
コイツを支配したいという、欲が湧いた
気が付けば俺は
コイツの喉元に咬み付いていた。
俺のモンだと言わんばかりに。
柔らけぇと分かってはいたが
想像以上の柔らさに思わず咬み付いた力を弱める。
ハッ意味分かんねぇな
ったく調子狂うぜ。

まぁとにかく
逃げんじゃねえぞ、名前

(傷口から滴った僅かな血液を)
(気づかれないようそっと舐め上げた)

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