空と空色と/グリムジョー | ナノ

01 空色との遭遇

突然申し訳ない。
まず始めに語らせて欲しい。
私はごく普通の人間であり、成人女性であり、社会人であり、至って健康体であり、現在彼氏いない歴○年の寂しい独り暮らしで、、、ってそんな事はどうでもいいのだけど
とにかく、取り立てて特筆すべき所も見当たらないどこにでも居る平凡な人間である。
まして霊感なんて物は皆無(だったはず)。
だって悪寒なんて感じた事無いし、超有名な心霊スポット訪れたって霊の類いなんか見た事無い。
うん、そうなんだよ!!
だから、見えてはいけない何かが見えた事なんか一度も無い!
そう、一度も!!
現に、今だって悪寒もしなければ金縛りになるでも無い、そう、いつも通り!

というわけで、
今現在、私の大好きな澄みきった青空のど真ん中で浮いてる、いや、仁王立ちしている強面のお兄さんはきっと幻に違いない。
特撮にしたって、あんな空高く吊るせるわけないもん。
しかし恐ろしい程にスタイルが良くて整ったお顔立ち、そして目が醒めるような鮮やかな空色の髪。
何してるのか知らないけど横向いてるし、こっちに気付くわけ無いし、いやむしろ存在してないよね、だってきっとこれ夢とか目の錯覚なんでしょ。私疲れてるのかな。
うん、早く仕事に向かおう。今日もデスクは山積みだ。
まぁ、せっかくだから最後に一応チラ見して目の保養してから行こうじゃないか。
よし、黙視、確、に、ん…

あ。

(空色が、口許を吊り上げた)
(それは、獲物を見付けた獣の笑み)

prev / next

[ back to top ]

×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -