青に染まる | ナノ

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苗字名前
高校3年生、性別女。
趣味なし、彼氏なし。
バイト先はコンビニ。

青峰大輝
高校1年生、性別男。
趣味おっぱい観察、彼女なし。
部活はとりあえずバスケ部。

そんな私とアイツの
偶然だけど必然だったかもしれない、
くだらなくて馬鹿げてて、
ちょっと甘酸っぱくてこそばゆい、
そんなお話。


「いらっしゃいませー」
今日も今日とてアルバイト。
平日はほぼ毎日働いている私。
いつものように元気よくご挨拶だ。
季節は春。
この時期は常連さんの顔ぶれも変わるので、お客さんの観察も結構楽しかったりする。
品出しをしていると、手伝いに来てくれた先輩が話し掛けて来た。
「ねえ名前ちゃん。あの立ち読みくん、最近よく見るよね?」
「?…ああ、そういえば」
「随分背高いけど、何かスポーツやってるのかな?」
「そうですねー。でも部活やってるならこの時間は居ないですよね?」
「あー、それもそっか。あ、名前ちゃんレジお願い」
「はーい」
レジ打ちを終えて無意識にさっきの男子高校生に目を向ける。
さっき見た時と変わらず雑誌に夢中になっていた。
色黒の肌に青い短髪。
目付きは鋭いけど気怠そうな感じ。
で、先輩の言う通りいかにもスポーツやってそうな体格だ。
ふとポケットから携帯を取り出して画面を見つめ、強面の顔が更に歪む。
チッと舌打ちをして携帯を耳に当てながら店を出て行った。
去り際聞こえた言葉は
「あ?んだよ、さつき」
ええ、超怖い!!
地を這う様な低い声に、彼女かな?…女の子に対してあの口の利き方。
関わるのは御免蒙りたいタイプの人だあれは。
雑誌コーナーの彼が居た辺りを見てみれば、週刊誌の『堀北マイ特集』。
水着からはみ出そうな程のボインが、表紙で惜しげもなく晒されている。
うっわ。
これは女の偏見だけど、まあイメージは更に降下だ。
私のアイツに対する第一印象は、そんな感じ。


思春期の男の子はそんなもんか。
なんて思った春のある日。

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