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第11Q

「うちの大輝が大変お騒がせしました」
「おめーはかーちゃんか」


「ってわけなんだよ」
『なーんだ。青峰っち見付かったんだし良かったじゃん、特に問題起きなかったんでしょ?』
「まあね。夏村さんと接触しちゃったのは予定外だけど」
『あー。弟って信じて手懐けようとしてくるかもね』
「怖!!あ、黒子くんにもお礼言っといてくれる?」
『うん、分かった。伝えとく』
「むふふ、テツくんにヨ・ロ・シ・ク!」
『何それキモイから!あんまからかうと後が怖いよ』
「あはは、ごめんごめん」
「おい、名前!もう寝んぞ!早くベッド来いって」
「は!!」
『…名前ちゃん?ちょっと?』
「え、ん?何?」
『あ、あんたたち…一緒に寝てるの!?』
「いや、ちょ、違う!いや違くは無いんだけど、あの、色々と事情が」
『きゃああああ!何!どしたの!真ちゃんは!?』
「いや、だから!奏ちょっと落ち着いて!」
『これが落ち着いて居られるか!私たちだって別々に寝てるのに!ねー、テツ!』
「ぎゃあああああッ!黒子くんそこに居るの!?いい!言わんでいい!!」
「テツがどうしたって?おい、俺もうねみーんだけど。早く(バシッ)いってえ!」
『きゃーん!旦那が待ち草臥れてるわよ!早く行ってあげなさい!』
「ああ、もう嫌…この人たち」
『うっふふ〜。おやすみぃ』
「…おやすみ」
奏、完全に誤解してる。
そして楽しんでる。
一緒に寝るんじゃなくて、私はこれから抱き枕という物と化すんだってば。
ジロリと元凶である青頭を睨み付けた。
「んだよ、いきなり頭殴りやがって。さっさとこっち来いって。」
「…はぁ」
「ほれ」
布団上げて自分の隣をトントン叩く青峰。
これがカップルでもあればそれはそれはウフフな時間の始まりだ。
ガックリと肩を落としてのそのそとベッドに潜り込み、壁際に身を寄せる。
そうすれば上がる不満の声。
「おい、それじゃ抱き枕になんねーだろ」
「…(このやろう)」
「ほれ、もっとこっちだって」
「ちょ、わわ!」
ぐいっと引っ張られて、すっぽりと青峰の腕の中に収まった。
コイツの抱き枕というのは非常に不服だが、この大きな腕の中の居心地はそんなに悪くはない。
絶対真ちゃんの方が包容力あるけどねっ!
「おー、いいじゃねーか。これこれ」
「完全に物扱いだよね」
「ああ?枕は大人しく抱かれてろよ」
「…超複雑。つか足乗っけるのやめてくれる?」
「はぁ?抱き枕っつったらこう使うだろ」
「重いんだよ!あんた図体デカイんだからちょっと考えて!って足絡めてくんなぁッ!!」
「んだよ、うっせーな。くぁあ、俺もう寝んぞ」
「自由過ぎるだろ!…はぁ、もういいです、おやすみなさい」
「ふあーぁ、おやすみ」
…毎晩、毎晩これなのか。
私に休息の場は!?
あ、もう寝てるし。
うーん。悔しいぞ、私も眠くなって来たじゃないか。
昨日も無理矢理抱き枕にされた割にすんなり寝られちゃったし。
嫌な事されても結局落ち着いちゃうとか…
ちょ、私M!?
いやいやいや、駄目だ。
コイツのせいで私ちょっとおかしくなってるんだよ、そうに違いない。
寝てしまおう!
どうせならこっちも利用してやろうじゃないか!
はぁ…ホント眠くなってきた…おやすみ。


あ、この感じ。
また…夢だ。
『あ、まだ写真あるッスよ?』
『大輝はこの子がきっと大好きなんだね。とても大事そうに抱えてるじゃないか』
『青峰っちは堀北マイちゃん一筋じゃなかったんスね』
『何にしても破廉恥なのだよ!まったく青峰め、練習をさぼってこんな事を!』
『えー?そんな事言いながら緑間っち写真見過ぎッスよー』
『なっ!見てなどいないのだよ!!』
『ただいまぁー、まいう棒買い占めてきたー。ん?みどちん何で赤くなってんのー?』
『赤くなどなっていないのだよ!!』
『真太郎、興奮し過ぎだ』
『こっ!?あ、赤司!』
『んー。青峰っち羨ましいッス。俺も癒されたいッスー!』
『涼太は常に女子に囲まれているだろう』
『そういうのじゃなくて、癒しが欲しいんスよ、癒し!』
ん?これって前に見た夢の続き?
話が繋がってるよね?
こんな事ってあるの!?なんか凄い!
キセキの皆かわいいなぁ。
なんて言ってもやっぱ真ちゃんだよねー。
いちいち反応が可愛いんだから!
こんな夢ならいつでも大歓迎だな!
なんなら高尾くんとか笠松先輩とか、もう皆ウェルカムだわ!


「あおみね、うーん…ばぁか…ぐぅ」
「んあ?…くかぁっ」

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