蘭丸くんの災難 | ナノ

ある朝の光景

「おはよう!蘭丸!」
「…(またかよ)」
朝からうぜえ。
どうやら俺が早く出る日の時間はコイツの通常出勤時間らしい。
「今日は早いね!珍しい」
「るせーよ」
「そういや蘭丸って何してる人?」
「なんだっていいだろ」
「んー、鳶職?スーパーのレジ打ち?本屋?コンビニ?執事喫茶?」
「滅茶苦茶だなオイ」
「全然想像つかないなー。口悪いし表に出る様な職では無いか!」
「あぁ?」
「ん!意外といい線行ってる?」
「勝手な事言ってんじゃねえ」
「執事喫茶はナシ、と」
ガシャン
「…」
ガシャン
「さすがにレジ打ちも無いか!」
「…おい」
「本屋も無いかなー」
「おい!」
「ん?」
「なんで着いて来てんだよ」
「え?だって私チャリ通勤」
「お前もかよッ!!」
「蘭丸もなんだ!あー、じゃこのチャリ蘭丸のだったんだね!」
「…」
ガシャン
「奇遇ですな」
ガシャン
「…」
カラカラカラ
「お!」
「方向まで同じなのかよッ!!」
「あはは!凄いね、自転車似合わないね!」
「うるせえな、つか結構スピード出てんのに普通について来てんなよ!」
「えー私普段もっとかっ飛ばしてるけど」
「お前こええよ!」
「あ、やばい!遅れる!お先!!」
「は?はあ!?…マジかよ」
マジでなんなんだよアイツは!
あのスピード、マジで女かよ。
言いたい事言ってさっさと行きやがって。
あ?

「信号で捕まってんじゃねえよ、バカか」
「えへへ」

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