unstoppable2 | ナノ

2OT

「やあ、はじめまして。キミが名前さん?」
「あー、峰ちんの彼女じゃん」


うわ。あ、赤司様だ…
むっくんデカ!!
「はじめまして!苗字名前です。お、お邪魔します」
春休み。
つまりキセキの皆は、おバカな大輝含め無事高校を卒業しているのだけど。
何故今私が初対面の赤司様の別荘にお邪魔しているかと言うと、春休みを利用して集まったキセキの同窓会的なものに大輝に連れて来られたからなのだ。
勿論奏も強制参加。
後からテツくんと来る事になってる。
それにしてもこの赤い人。
年下のくせになんだこの威圧感は。
もうちょっと近付いたら硬直して尻餅着かされそう!
例のアレだ。
むっくんなんか予想以上にデカくて見上げてると首痛い。
あ、首攣る!攣る!
そうそう、キセキの皆はそれぞれ進路が決まってる。
赤司くん、むっくん、真ちゃん、涼太はそれぞれ被る事なくプロバスケチームへ。
テツくんは私たちと同じ大学に進学して、そこで大好きなバスケを続ける予定。
奏も嬉しそうにしてた。
そして大輝は…
「大輝。向こうにはいつ発つんだ?」
「あー、あと1週間くらいしたらだな」
「そうか。契約期間は1年だったか?」
「おー。とりあえずな」
「帰国したら勿論プロに在籍するんだろう?」
「そりゃあな。ま、どこ行くかは知らねーけど」
「その時を楽しみにしているよ」
「はは!赤司に楽しみにされるなんてコーエイだな」
そう。
大輝はもうすぐアメリカに発つ。
アメリカのプロバスケチームにスカウトされて、1年の約束で契約書にサインした。
「名前さんも行くんだろう?」
「え、あ…私は」
「名前は行かねーよ」
「そうなのか?」
「うん。私はお留守番で」
「何故?」
「ほら、私まだ大学生だし。とりあえず大学だけはちゃんと卒業したいから」
「そうか。すまない、込み入った事を聞いたね」
「ううん。ちゃんと2人で決めた事だし、気にしないで」
「まぁ1年なんてあっという間だろ」
「…峰ちんさぁ。前は1年ってこんな長かったか、とか言ってなかった?」
「は!?い、いつの話してんだよ!」
「えー?あれ確か高2ん時っしょー。もっかい皆で集まった時…あの時はさぁ」
「うぉおおい紫原!それ以上余計な事言うんじゃねーぞ!」
「俺も大輝が1年耐えられるとは思えないな」
「なんなんだよお前ら!」
実は私がお留守番を決めたのは、大学卒業の為だけじゃない。
一番の理由は大輝にバスケを楽しんで来て欲しかったからだ。
私が居ると少なからず気が散って邪魔になる。
楽しそうにバスケをする大輝が大好きだ。
強い相手に出会って戦ってまた強くなって帰って来る大輝を待ちたい。
それで、帰って来たら思いっきり抱き締めてあげたい。
そんな思い。
遅れて真ちゃんも涼太もテツくんも加わって、皆でバスケが始まった。
殺伐とした空気なんかこれっぽっちもない。
皆が凄くいい顔をして走り回っていた。
こんな景色を見られるなんて幸せだ。
「名前」
「奏、何?」
「本当に行かなくていいの?」
「うん。大丈夫」
「あんた強くなったね」
「へへ。お褒めに預かり光栄です〜」
「でもさ〜、青峰っちがあっちで超ボインのギャルと浮気なんかしたらどうする〜?」
「…奏さん、そういう事言う?」
「あはは!ジョーダンだよ!青峰っちは名前しか見えてないしなんも問題ないない」
「だといいんだけど」
「そうだよ。だってほら、こっち見てるよ」
「…あ、ホントだ。あ!」
「ぶは!テツとぶつかった!」
『テツてめえ!お前仲間だろーが!』
『青峰くんが名前さんばかり見ているからです』
『は、はぁ!?見てねーし!!』
『隙あり!なのだよ、バカめ』
『っああああ!青峰っち何してるんスか!』
『緑間!てめえっ』
『ふん』
『そっちのチームなんなのー?』
『大輝、名前さんに呆れられるよ』
『う!うるせー!次取るぞコラ!』
『偉そうに!青峰っちのせいなんスけどー』
『はい、どうしようもないですね』
楽しそう?な皆を見て奏と笑い合った。
宣言通り1本取り返した大輝がこっちに向かって歩いて来る。
皆もそれぞれ休憩を始めたみたいだ。
奏もテツくんの元に走って行った。
「おい名前」
「お疲れさーん」
「…俺は浮気なんかしねーぞ」
「あれ、聞こえてたの?地獄耳!」
「るせー。俺の忍耐力なめんなコラ」
「忍耐力ねぇ」
「2年も待てたんだからな。たった1年でぶっ壊れてたまるかよ」
「…」
「あ?何黙ってんだ」
「…ちょ、ちょっと」
「は?なんで顔あけーんだよ」
「だって!いや、今更だけど。2年も…待ってたとか、言われると、なんか」
「!!い、いちいち反応してんじゃねーよ!!」
「だって嬉しいもん」
「とりあえずその顔赤くすんの止めろっ」
「それ大輝もだから!!」
ああほら…すぐ言い争いになる。
けど、これも結構心地よかったりする。
あーあ、困るなもう。
呆れるほど大好き。


「あ!巨乳美人!!」
「は!?何処だっ!!…あ」

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