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※未来日記パロ







「9月20日、10時26分。裏通りに追い詰められた後、5thにナイフで胸を刺されて死亡…」

 十代自身の未来を綴る日記は、そこで途切れている。現実を突き付けるように画面でひときわの存在感を示しているDEAD ENDの文字が、やけに瞼の裏に焼き付いた。
 日記を所有する者が、他の日記所有者によって殺される事が確定した時、このDEAD ENDフラグが立ち、所有者を捕らえて放さなくなる。相手は同じ未来を見通す者同士、このフラグは回避不可能な絶対的運命だ――奇跡でも起きない限りは。

 こめかみを伝う冷や汗を拭い、乾いた唇をぺろりと舐める。笑みさえ浮かべながら、十代はスライド式の赤い携帯を閉じ、ポケットに捩込んだ。
 自分の体を抱きしめるように、震える腕を押さえ付けると、隣からからかうような言葉が向けられる。

「どうした十代。怖いのか?」
「……まさか。武者震いって奴だよ。お前こそ怖いんじゃないのか、ヨハン」

 隣で先程までの十代と同じように携帯を眺めていた友人は、そりゃあな、と苦笑いを浮かべた。自分の命がかかっているのだ、仕方のない事だろう。笑うような事はせず、ただ静かに頷いた。

「まあ、……何があっても、お前だけは殺させないぜ、十代。オレが守るからな」
「馬鹿言えよ、二人で戦うんだろ?お前だってやらせたりしねぇ」
「……そうだな。オレは神なんてどうだっていいけど…絶対に、生き残ってやろうぜ」

 最後に生き残った勝者に与えられる、時間と空間を支配し管理する神の座。ヨハン同様、十代もそんなものに興味はなかった。
 ただこの馬鹿げた殺人ゲームで、ヨハンと共に生き残る。それだけだ。神の座や勝利、そんなもののためにヨハンを殺させはしないし、自らも殺されてやるつもりは毛頭ない。

「行こうぜ十代。オレたちで奇跡を起こしてやろう」
「ああ。こんなところで死んでなんてやるか!」


 絶対に生きてやるからな!
 顔も知らない五番目の日記所有者と、高見の見物を決め込む神に向かって、二人は高らかに叫びを上げた。





――――――
十代はやっぱり10thなんだろうか…(笑)





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