情報収集したいのは山々だけど、私は普通の学生だ。学生は学校に行かなければならない。居心地の悪い教室を思い出して、うげえとなった。
「うーん…はやく大人になりたい」
「餓鬼があほなこと言ってんな。嫌でも大人になる」
「……そうですね」
珍しく反論しない私を……え?私っていつもつんけんしてたの?まあそれはいいや。
珍しく反論しない私を、不思議な物のようにへーわさんは目を丸くしていた。
「何か変ですか?」
「あー別に、なんでもねえ」
何か言葉を言いかけ、飲み込んだへーわさんに、私は眉間に皺を寄せた。む、気になる。
「うわ、もうこんな時間…!いってきまーす」
「おう」
ぱたぱた駆けて行く私を見て、へーわさんが「なんか…変わったな」と呟いていたのを私は知る由もない。
「ギリギリ、セーフ……!」
教室に駆け込み入室を果たした私は、息を吐きながら椅子に座った。ふう、朝から運動なんてするもんじゃないですよ、まったく。
HRを適当に聞き流し、ケータイを開く。そういえば、パソコンで見たチャットのURL、ブックマークしていたような……。
(よし、ビンゴ!)
チャット画面には『タマ子さんが入室されました』と書き込まれている。これって、誰が作ったんだろ?
カチカチとスクロールしていくと、ダラーズというグループ?が集会をしたらしい。
……どうでもいいことだけど、この甘楽さんのキャラ、痛いなあ。
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