ん?臨也っていう名前の人のメールしかない。なんて読むんだろう?
うわ、しかも全件保護してるよ。気持ち悪いな、私。
「自殺オフ…?」
気になる件名を見つけ、クリックして開く。そこには目を疑うような文面があった。
「【一緒に逝きませんか】…!?え、これ、一年前の……私の返信は…【わかりました】って」
つまり一年前の私は、自殺志願者だったのだ。差出人は奈倉という名前。この人からのメールも保護されている。
「っ…!痛い…。私は、何を…」
知りたいけど、知ってはいけないようなこと。そんなイメージがある。
でも、私は思い出さなきゃいけない。痛む頭を抱えながら、マウスを持つ手を無理矢理動かす。
「【池袋駅の近くの×××にて、待ってます】か…。あれ、ここから臨也さんばっかりになってる」
うーん、よく分からないなあ。モヤモヤした時は寝る方がいいよね。あ、でもお風呂に入らなきゃ。
「よーし、明日は学校に行こう」
さっさと風呂に入って、早く寝なきゃ。手がかりがつかめたらいいな。
「あさ……んー、学校、行かなきゃ…」
制服が見当たらなかったので、何故か何枚もある黒いパーカーとスカートを着用。今度、違う服を買おう。
黒いファーコートもあったけど、なんとなく男の人の匂いが……。頭痛が発症したので、慌てて考えるのを止める。
歯を磨いて身だしなみを整えて、ケータイと財布しか入っていないカバンを掴む。
「学生なのに、なんで筆記用具とか教科書とかがないんだろ……」
学校においているのだろうか。ていうか、家で課題とか勉強とかしないのかな?うーん、謎だ。
「行ってきます」
誰も居ないけど、何となく言ってみる。想像通りに私の言葉は返されることなく空気に消えた。
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