空気が読める私は、なんとなく教室に入りづらくて屋上なう。
「あー、イチゴみるく甘ぇー」
ぬくぬくと日差しがさしてきんもちー、このまま寝てしまいそう。
丸二日間寝たのにも関わらず、瞼がゆっくりと下りていった―――。
♂♀
「あー、腹へったー今日はいい天気だし、屋上で食べよーぜ」
「うん、ちょっと待ってて」
やっと授業が終わって、昼休みに突入。僕と紀田くんは、昼食をとろうと屋上へ向かった。
「いやいや、この前の俺はすごかったんだぜ!?」
「……√3点」
「そのツッコミを変えろよって………」
「紀田くん?なんかあったの?」
これ、
紀田くんが指を指す向こうに、ベンチですやすやと寝息をたてる女子生徒が横たわっている。
「き、紀田くん……」
「分かってる、なにも言わなくてもいい」
「う、うん」
「これは……運命だ…!」
「……………………」
僕は何事もなかったかのように屋上を去ろうとした、けど、「いやいや待てよ!!」紀田くんに捕まった。
「つまんないし寒いよ」
「お前はこんな美少女を目の前にして立ち去るというのか!?しかも同学年じゃ見ない顔だ!」
「通報しちゃうよ?」
「止めろ。あ、何か言ってる…?」
綺麗な顔をした少女に耳を近づけていく紀田くん。なぜか、僕がドキドキしてしまった。
「ざ……いざ……や、さん」
「イザヤ…?あの関わってはいけない―――」
「帝人、今日は教室で食おう」
イザヤ、という単語が出てきた瞬間、紀田くんの顔が強ばった。でも、今はいつものようにけろっと笑っている。
紀田くん……どうしたのかな…?
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