あきれたーちょっと首にチョップしただけで失神しちゃうなんて。軟弱な男だにゃー。
わたしと千景くんの情報を売りやがったグズな男を、邪魔にならないように端へ寄せる。
「ムカつくから目んたまくり貫いちゃお」
ぶちゅぶちゅ血管が切れる感触を楽しむ。あ、起きちゃった。あまりの痛さになんか叫んでる。うるさいから殴った。静かになった。よし。
「タマ、何してんだよ」
「あー千景くーん!見て、コイツが千景くんの情報を売った奴ですよ」
「うわ……ちょっと顔面ぐちゃぐちゃだなあ。怪我はない?」
「ふふ、ノープロブレムです。わたしは化物だから」
にっこり笑うと、千景くんは何故か悲しそうに笑ってわたしを抱き締めた。うひゃあ、人肌きもちいー。
「タマ、女の子が化物って言わないの。君は俺の彼女なんだから」
「ん、千景くんのかのじょ…」
「眠い?」
「んーん、もうちょいこのまま……ふにゃあ」
大きなあくびをすると、千景くんはいとおしそうにわたしを撫でる。出会った最初は、傷ついた後だから警戒しまくりだったなあ。
千景くんも、女の子はみんな俺の彼女だから平等に愛さなきゃいけないって言ってたけど、最近はわたしに偏りがちだ。……うーむ束縛感。
「帰ろっか、お家に」
「帰りまーす!ね、千景くん」
「なーに?」
「……ありがと」
「どういたしまして?」
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