◯◯系男子シリーズ | ナノ

「大ちゃーん…」
「てめえさつきみたいな呼び方すんな」
「じゃあ大輝ー…」
「んだよ」
「暇」
「で?」
「どっか行きたい」
「だったら一人でどっか行ってこい」
「大輝と一緒じゃなきゃ意味ない」
「めんどい」


ちくしょう腹立つ、この真っ黒峰。わたしも名字が青峰だから何ともいえないが、このガングロ峰すごい腹立つ。たまには一緒に出かけようと遠回しに言ってみているのだが、めんどいときた。結婚してからというもの、こいつは一人で火神くんとやらとストバスをしにふらふらと出掛けていってしまうため、何もないときはこうして動こうとしない。くそう大輝のやつ、こうなったらわたしも!


「ふーん。ならいいよ、わたし黄瀬くん誘って出掛けてくるから」
「ハァ?なんで黄瀬になんだよ」
「だって服の話とかできるし、気が楽だから」
「ふざけんな。黄瀬と二人なんて許さねーぞ」
「じゃあどうすればいいってのよ」
「知らね。とにかく黄瀬はだめだ」


ぐぐ、くっそ本気で腹立つ。黄瀬くんがダメなら他の四人と、そして少し交流がある先輩たちの名前を出してみよう。


「じゃあ黒子くんと」
「残念だったな、今日テツ出勤日だぜ」
「…赤司くんと」
「赤司ぃ?お前赤司となんて出掛けんの?」
「っ、緑間くん」
「医者の忙しさ考えろよ」
「紫原くんは」
「留学中」
「高尾くん…」
「連絡先知ってんのかよ」
「緑間くん経由で教えてもらった」
「ふーん…」
「あっ、でも宮地さんとか伊月さんでもいいかなぁ…ねえ大輝」
「…」


どうだ黒峰。本当はキセキのみんなの連絡先しか知らないけど!でもいざとなったら聞けるし、先輩パワーは強いんだから!


「…わーったよ」
「えっ、もしかして本当に行ってもいいの?」
「違えよ、オラ早く支度しろ」
「え?なんで大輝が着替え始めてるの」
「…そこまで言わなきゃわかんねーのか!っだから、オレが行ってやるっつってんだよ!」
「まじ!?」
「おーおー、大マジだ。んなことより早く支度しろよ、置いてくぞ」
「わあ、大輝大好き!」
「…現金なやつだな、オレは愛してるっつーの」