◯◯系男子シリーズ | ナノ

隣にいたい系男子
緑間真太郎×緑間なまえ


ぴったり、と。隙間もないほどにわたしの隣にくっついて、静かに読書にいそしむ真ちゃん。伏せた瞳を長いまつげが縁取り、とても絵になる光景だ。真ちゃんはいつも必要以上にくっついてこようとはせず、こうしてわたしの隣にぴったりとくっつくことが多い。だいすきな真ちゃんの隣に居られることが、何よりのしあわせである。


「…なんなのだよ。そんなに見られていると読みにくいのだが」
「いやあ…きれいだなぁって思って」
「…きれい、か。嬉しくないのだよ」
「うん、わかってるよ。真ちゃんはかっこいいって言われる方が嬉しいんだよね」
「なっ、そんなことは言っていないだろう」
「わかるわかる。ねっ、真ちゃんかっこいい!」
「…なまえ、それ以上言ったら」
「…はい」


危なかった。これ以上言ったら、夜は寝られなくなるところだった。ハァ、と真ちゃんはため息をひとつ。パタンと本を閉じ、ぐーっと背伸びをした。そうしてまたわたしの隣にくっついて、今度は肩を引き寄せられた。


「真ちゃん、」
「どうした?」
「高尾くんにこの前会ったんだけどさ」
「ああ」
「全然変わってなくてびっくりした」
「まあ、高尾だからな。変わっていたりなどしたらオレはあいつと交友を切るのだよ」
「すっぱり言ったね真ちゃん。高尾くんは真ちゃんが大好きだから、きっと変わらないと思うよ」
「変わられても困るのだよ…」


高尾くんの力は強かった。真ちゃんも高尾くんの話を出すと、どこか楽しそうに話にのってくれる。それがおもしろくて笑いをこぼすと、「なにを笑っているのだよ」と怪訝そうに言われてしまった。


「真ちゃんおもしろいね」
「は?オレのどこがおもしろいのだよ?」
「ぜんぶ」
「…複雑なのだよ」


そんなところもおもしろいね、とさらに言ってみれば、真ちゃんにでこぴんされた。わかってるよ、真ちゃん。真ちゃんが一番なにを言ってほしいのかなんて、手に取るようにわかる。


「真ちゃん大好きだよ」
「…オレは愛しているのだよ」