Condition


ルール確認




 PDAのナンバーを明かしたのは京だけだったが、どうやらマキシマたちのPDAとは互いに危害を与える必要のないものではあるらしい。手を組みはしたものの、それはあくまでも非干渉に徹するということであって行動を共にはしなかった。

 マキシマたちと別れた後、2階へ上がる階段を発見した京はそのまま2階へと移動し、とりあえず手近な部屋に身を隠して落ち着いた。上手くPDAにコピーしてもらった、新しく知ったルールに再び目を通すとため息をつく。

 一つだけ不運なことに、京が予め知らされていたルール3はK’と、そしてルール5はウィップと重複していたようで全てのルールを知ることは適わなかった。それでも、この忌々しい首輪を解除する為の条件を得られたことは何よりも大きいだろう。


ルール4
最初に配られる通常の13台のPDAに加えて1台ジョーカーが存在している。これは、通常のPDAとは別に、参加者のうち1名にランダムに配布される。ジョーカーはいわゆるワイルドカードで、トランプのカードをほかの13種のカード全てとそっくりに偽装する機能を持っている。制限時間などは無く、何度でも別のカードに変えることが可能だが、一度使うと1時間絵柄を変えることができない。さらにこのPDAでコネクトして判定をすり抜けることはできず、また、解除条件にPDAの収集や破壊があった場合にもこのPDAでは条件を満たすことができない。

ルール6
開始から3日間と1時間(73時間)が過ぎた時点で生存している人間を全て勝利者とし20億円の賞金を山分けする。

ルール8
開始から6時間以内は全域を戦闘禁止エリアとする。違反した場合、首輪が作動する。正当防衛は除外。

ルール9
カードの種類は以下の13通り。
A:クィーンのPDAの所有者を殺害する。手段は問わない。
2:JOKERのPDAの破壊。またPDAの特殊効果で半径1メートル以内ではJOKERの偽装機能は無効化されて初期化される。
3:3名以上の殺害。首輪の発動は含まない。
4:他のプレイヤーの首輪を3つ取得する。手段を問わない。首を切り取っても良いし、解除の条件を満たして外すのを待っても良い。
5:館全域にある24個のチェックポイントを全て通過する。なお、このPDAにだけ地図に回るべき24のポイントが全て記載されている。
6:JOKERの機能が5回以上使用されている。自分でやる必要は無い。近くで行われる必要も無い。 
7:開始から6時間目以降にプレイヤー全員との遭遇。死亡している場合は免除。
8:自分のPDAの半径5メートル以内でPDAを正確に5台破壊する。手段は問わない。6つ以上破壊した場合には首輪が作動して死ぬ。
9:自分以外の全プレイヤーの死亡。手段は問わない。
10:5個の首輪が作動していて、更に5個目の作動が2日と23時間の時点よりも前で起こっていること。
J:「ゲーム」の開始から24時間以上行動を共にした人間が2日と23時間の時点で生存している。
Q:2日と23時間の生存。
K:PDAを5台以上収集する。手段は問わない。


 マキシマの言っていた危険なナンバーはなるほど確かに存在しているようだ。持ち主次第によるPDAもあるにしろ、あからさまに他人の殺害を条件としているものがいくつかある。4のPDAを持つ京にとってAは安全と言えるが、確実に3・9の持ち主には注意しなければならない。

 もう一つ幸いなことに、京のPDA解除にはマキシマたちが協力を申し出てくれた。つまり、彼らがそれぞれの条件をクリアして首輪を外したら渡してくれると言うのだ。約束の2日と23時間経過後まで、京はただ生き残るだけで良かった。もちろん“主催者”がそんな甘い措置を見逃すはずもないだろうが。

 マキシマたちとの遭遇により、拭えない気がかりもある。

 京を憎んでやまない赤い髪の青年。

 彼もまた、このゲームの参加者に選ばれているに違いなかった。






 

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