D.gray-man


2


唇から首筋、鎖骨へと舌を這わせて再び乳房への愛撫に戻る。

「あ、んっ・・」

敏感な乳首を責められて、リナリーはつい声がもれてしまうのが恥ずかしかった。
ラビの愛撫は舌だけでなく、指先で片方の乳首をひねったり腰の括れを辿ったり。
まるで快楽のつぼを探しているような動きをして、そのたびにリナリーは甘い声がもれてしまう。

「はぁん・・っ」
「その声、めちゃくちゃ可愛い」
「いっ・・あぁん」

出すつもりはないのに自然にもれてしまうのが恥ずかしい。
ラビの指がショートパンツのボタンを弾くように外し、スルリと滑り込む。
つい反射的に、抵抗するみたいに膝を寄せてしまうと、ラビは悪戯っぽく「こら」と口を尖らせてリナリーの膝頭をくすぐり、こそばゆさに負けて脚を緩めた。
ラビの長い指がリナリーのショーツに入り、柔らかな恥毛を撫でるように秘所へと進める。

(!)

人差し指が花核を探り当て、軽く押すとリナリーの体がビクンと軽く跳ねた。

「っ・・!?」

咄嗟に助けを求めるようにラビにしがみつくと、ラビは嬉しそうに唇を上げて、

「もっと・・おいで、リナリー」

もう一度、花核を突く。

「っぁあっ!」

ビリビリと電流が体に流れていくみたいに、痺れてきた。そのまま花核を撫で突きながら、中指が蜜を求めて秘所を探る。
クチュ、と水音がして。ラビの指がそこへとたどり着いたのを感じると、リナリーは奇妙な喜びを感じていた。

「はぁぁんっ・・」

乳房への刺激など比べようもない快感がリナリーを襲って、爪先が震えているのが分かる。
中指は蜜を含ませた指で襞をめくり、浅く挿入するとゆっくり出し入れした。

「リナリー・・濡れてる」
「い、いやっ・・あっ、ん!」

人差し指で敏感な突起を刺激しながら、中指を根元まで入れると上部を擦りながら引き戻す。もう片方の手がやや強引に、ショートパンツと一緒にショーツを脱がした。
ラビが軽くリナリーの脚を持ち上げて、ふくらはぎにキスをする。

「この足、ずっと触ってみたかった・・って言ったら怒る?」

冗談ぽく言いながら、キスは太股へと続いていった。

「・・あぁっ・・はあぁっ」

微細な動きを繰り返す指に、リナリーは頭の一部が麻痺してしまう。熱い何かが奥に渦巻いて。それが何かは分からないけれど、もどかしい程自分がそれを望んでいるのを知っていた。
律動するようなラビの指の動きに、リナリーの腰が逃げるように引けてしまう。
ラビが逃がさないように片手で腰を抱き、体を密着させながら乳首をチュウと吸った。

「ラ・・ラビ、ちょっと・・あぁっ!」
「逃げないで、リナリー」

耳元で囁かれるラビの声はとても優しかったけれど、指の動きは止まらない。
何かが追いかけて、体の中を駆け抜けていくような感覚。その何かが解らぬままリナリーは堪えるように眉を寄せ、目をかたく閉じる。

「っ・・ああぁぁっ!」

弾けて飛んで、舞い上がる花火のような絶頂にリナリーは足がガクガクと震えた。

指はリナリーの絶頂を感じると、秘所を一度撫でるように掻き回しそっと抜く。

カチャ、とラビがズボンのベルトを外すのを乱れた息で聞きながら、リナリーは目を閉じた。太股が開かれて、ラビが自身のそれを秘所へと宛がう。

「・・いくよ」

リナリーは「うん」と頷いたが、それはかすれて声にはならなかった。先端が探るような動きをして、リナリーの秘部にゆっくりと身を沈めていく。

「・・んんっ・・!」
「リナリー、力抜いて」
「分かって・・んっ・・痛っ・・いっ!」

押し広げられる痛みにどうしても体が固くなり、顔を歪めた。
シーツを握りしめ耐えるようにラビを見ると、彼もまた苦しそうにリナリーを見ていて。

「ラビ・・?」
「ごめんリナリー・・オレ、このままリナリーが欲しいんさ」

抱きしめて、キスをされる。
グッ、と腰を沈ませるとラビの先端がすっぽりと入り、リナリーはさらなる痛みに体が跳ねた。

「ラ・・ビッ・・っんん!」

逃げない、逃げたくない。
裂ける痛みは苦しくて辛いのに、重なるラビの体温は愛しくて気持ち良かった。

ぎゅっ、と強く抱きしめられてさらに奥へとラビが進む。
グッ、グッと割り入れる動きはさらなる痛みをリナリーに与えるが、耳元でラビの苦しげな呼吸を聞けば、それは耐えられるものだった。

「リナ・・リー、大丈夫さ?」

そう言う彼こそ辛そうに見えて。リナリーは首を振りラビの首に抱き着く。
柔らかな赤い髪が頬にあたり、リナリーは愛おしむようにそれにキスをした。

ラビは慈しむように目を細め、リナリーの頬に唇を寄せ囁く。

「好きだ、リナリー」

強く、強く抱きしめられて息もできないくらい。
ラビの膝がリナリーの足の下へ滑り、奥へと繋がる為にリナリーの腰を浮かせた。

「・・!!」

グイッと一気に貫かれリナリーは反射的に体を反らせたが、それを捕まえるようにさらに強くラビは抱きしめる。

繋がった、と。

痛みと圧迫感を感じながら、リナリーは言いようのない喜びを感じていた。ラビの熱が体の奥から感じる。ただそれだけの事が、リナリーはたまらなく嬉しかった。

「動く、ぞ・・」

ラビが上体を起こし両手をついてリナリーを見下ろす。
ゆっくりと腰を引いて、深く挿し入れる。襞が擦れる刺激にラビはハア、と息をついて律動を開始した。

「っ・・!」

痛みに耐えながら、それでもラビに身を任せるリナリーを愛しそうに。ラビはとろけるような快楽に頭がぼうっとして、体が反応するようにリズムを刻んでいく。

「はっ・・ぁあっ」

繋がる部分がとても熱くて、苦しい。
リナリーは助けを求めるようにラビの首を掻き抱く。奥を突かれるたび、痛みに紛れて奇妙な疼きを感じていくのが少し怖かった。

「あぁぁっ・・」

一度達したそこは、ラビが腰を動かすたびに敏感に反応していく。奇妙な感覚に戸惑いながら頭の芯が痺れてきて、指先が熱くなった。

「ラ、ビ・・なんか、変・・あっああん・・!」
「リナ、リー・・気持ち、良くなってきた・・?」

こくん、と頷いてリナリーは熱に浮かされたような瞳でラビを見る。
その表情がラビの琴線に触れたのか、打ち付ける腰の動きはさらに激しくなった。

「ああっ・・!」
「リナリー・・だからそんな顔、反則っ・・」

ガクガクと激しく腰を揺さ振られ、一度感じたあの不思議な何かがまた追いかけて来る。
ベットの軋む音に合わせて、ラビが腰を打ち付ける乾いた音と、それに紛れて自分の淫靡な水音が聞こえた。
目の前で揺れる赤い髪、視界にうつる重なる二人の影。初めて触れた温かい素肌の感触。

(ラビ)

いつかどこかに消えてしまいそうで、ずっと不安だった。
もっと深く繋がりたくて、寄り添いたかったの。

心だけじゃ物足りなくて、こんな風に全てを求めてしまう自分は我が儘なのかもしれない。

(好きよ、ラビ)

いつもはどこか遠くに感じる彼が、今はこんなに近く感じる。体を合わせただけで、微かな不安はどこかへ消えて失くなった。
上り詰めるような、駆け上がっていくような何かがリナリーを支配していく。

「あっ・・待って、いやぁ・・あぁっ!」

声を抑える事も忘れてラビに縋り付き、逃げられない快楽の衝撃に耐える。
突き上げられる奥が火傷しそうに熱い。熱は全身に拡がり、リナリーは火を燈したような瞳でラビを見上げる。
苦しそうに彼は眉を寄せて切なげなその瞳には、はっきりと熱情が見えて。
それはいつものラビが見せない、素の表情だった。

「ラビ・・ラビッ・・!」

子供のようにラビの名前を呼んで、与えられる快楽に身を任せると。沸き上がる絶頂感に意識は溶けて、ラビとの一体感に胸が震えた。

「はぁぁっ・・!」

ドクン、ドクン、と自分の血脈の音を耳にしながら意識が薄れる。
助けを求めるように腕を伸ばした時、リナリーはラビが何かを囁いたのを聞いた。

それは独り言なのかとても小さな声で。


『はなさない』


そう、聞こえた気がして。
リナリーは暖かな体温に包まれる幸せを感じながら、意識を手放した。



微笑みながら。








End



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