D.gray-man


2


やや乱暴にワンピースを脱がせると、白い肌を薄く染めた肢体が姿を現した。
昔に比べて肉がついている。ガリガリで、骨が浮いてるようだったのに、女らしい丸みを帯びて、乳房のサイズも上がったようだ。

ティキは薄く笑いながら、ミランダを見て。

「誰かほかの男とヤッた?」
「え・・?」
「言っとくけど・・」

ミランダの耳元へ口を寄せると、

「殺しちゃうよ」

冷たい声を響かせ、クッと笑うと、そのまま耳にベロリと舌を這わせてゆっくりとねぶる。
乳首を摘み上げてキュウと捻り上げると、ミランダの体がビクリと震えた。

「っ・・あ・・ぁっ・・」

片手でショーツを引き下げると、溢れ出た蜜が糸を引いている。クプ、と浅く指を沈めてクチュリと音を立てると、それに反応するように後から後から溢れ出た。

「・・ビショビショ」
「・・・!」

蜜を指に絡み付かせて花核を擦りつけると、ミランダはビクビクと震えてシーツを握りしめた。

「はっ・・あ・・ああんっ・・」

苦しげに、泣きそうな顔でティキを見てくる。
たまらなく嗜虐心を刺激されて、ぞくりと背中が泡立つ。ヌルヌルと光った指をミランダに見せると、

「どうすんだよ、オレの指ベチャベチャにして」

言いながら、その指をベロリと舐めた。

「ご・・ごめんな・・さい・・」

涙目で縋るような瞳を、満足げにティキは見下ろすと、ゆっくりとミランダに唇を寄せて、彼女の唇を舐めるように吸い付いた。
舌を割入れながら、口腔を蹂躙していく。ミランダが控え目に、ティキの舌に反応していくのにほくそ笑む。

これが、いい。白いものを穢していくような喜び。
穢しても、穢したりない。どうしてこの女はこんなにも穢れないんだろう。

昔から、いくら堕とそうとしても堕とせなかった。
いや、堕ちたと思ってもまたすぐに白くなっていくのだ。

(だからってエクソシストなんかになりやがって)

ほんの少し放っておいたら行方知れずになり、次に会った時は互いに敵として戦場で。

(そりゃ、探してもいないはずだわな)


口づけを離すと、ミランダは熱を含んだ従順な瞳で、ティキを見上げている。
ああ、なんて可愛い目をするんだよ。その犬みたいな瞳をくり抜いて喰ってやろうか。

その仕立ての良いシャツを脱ぎ捨てて、ミランダの股間に顔を埋めるとヒクつくそこに舌を這わせた。

「・・はっ・・あぁぁっ・・!」

抵抗すら見せず、ただ快楽に溺れていく姿はなんて愛しいんだろう。ジュ、グチュ・・と音を立てて、耳にも刺激を与えてやる。

「溢れて止まんねぇよ、そんなに待ち遠しいのか?」

薄く笑いながら花核にチュウと吸い付くと、ミランダの腰がビクッと浮き、湧き上がる絶頂の波に身を任せるように、シーツを握りしめた。
上り詰めるその瞬間、まるでそれが分かっているかのように、ティキの口が離される。

「・・?」

絶頂の寸前で止められて、ミランダは不安気にティキを見ると、口を軽く拭いながら嘲笑う。

「なに、そんなにイキたかった?」
「・・!・・」

悲しげに、縋るような瞳は涙で潤む。
ティキはゆっくり身を起こすと、ミランダを見下ろしながら、カチャカチャとズボンから、張り詰めて硬くなっている自身を取り出した。

残忍な微笑を浮かべながら、

「・・欲しい?」
「!?」
「そりゃ欲しいよな、こんなにヨダレたらしてんだから」

ミランダの秘部に宛がうと、ピチャと音がした。

「・・あ・・あぁ・・」

擦りつけられて、もう耐えられないとティキを見上げると、彼はそっと屈んでミランダの耳元に口を寄せる。

「欲しいって・・言えよ」
「・・・・」

ミランダの瞳が涙で潤む。

「言わないと・・あげないよ」

優しく囁いて。蜜壷を探り当てると、先端だけ誘うように含ませる。
もっと奥へ欲しいのだろう、彼女の入口はヒクヒクと蠢き吸い付くように、ティキのを放さない。

「あっ・・あぁぁ・・んっ」
「ほら」

堕ちろ、堕ちてしまえ。

「・・・し・・い」
「ハッキリ言えよ」
「欲・・しい・・です」

懇願するような瞳に、ティキは目を細めた。

「あっ!あぁぁぁんっ・・!」

返事もなくいきなりミランダの中を貫くと、待ち兼ねていたのか、その刺激だけでミランダは絶頂に上り詰めてしまった。
ビクンビクン、と陰茎に感じる刺激にティキは薄く笑う。

「もうイッたのかよ」

ゆっくりと慣らすように腰を動かして、グッ、グッと押し入れていく。
さっき達した絶頂の名残か、ミランダの胎内はギュウギュウと締め付けて、ティキのを吸い付いて離さないように、蠢いている。

「あんっ・・は、はあぁぁんっ・・!」
「・・おいおい」

ガクガクと腰を揺さぶりながら、ミランダの耳元へ降りると

「声、でけぇって・・ヤバイんじゃないの?誰か来ちゃうかもよ」

笑みを含んだ囁きを残して、ミランダの耳たぶをしゃぶった。

「はぁ・・ん!」

声を抑えるように口を手で押さえるが、ティキの打ち付ける腰の動きにミランダの理性は溶けるように消えていく。

「あっ・・はうんっ!やっ・・ティ・・ティキさんっ・・」

助けを求めるように手を伸ばされて、ティキはその手を取る。

「最高に可愛いよ。ほんと、笑えるくらい」

ククッと笑いながら、救い上げるように抱きしめて、堕ちていった神の使徒に口づけを落とす。
頭の中に、なんとも言えない痺れる感覚を感じながら、縋り付く女の姿に満足感と共に奇妙な安堵感を覚えていた。

「ああっ!まっ・・あっ!だ、だめぇっ・・!」

縋り付く腕の力が強まり、二度目の絶頂が近づいて来たのを感じて、ティキは腰の動きをさらに速めていく。

「ほら、何度でもイケよ」
「いやぁっ・・あああんっ!」

ティキの首に回された手が、ぴくぴくと痙攣した。
最奥へと打ち付け、ミランダの精神が絶頂感に弾けたその直後、ティキは彼女の胎内に、たぎるような熱を持った、己の白濁の液を吐き出したのだった。





汗が、へばりついてくる。

ミランダはぼんやりと朝焼けの差し込む部屋の中、もう何度迎えたか分からない、絶頂感の余韻の中にいた。

「・・・・・・」

ティキは、涼しい顔でタバコを吸いながらミランダを見ていて、

「・・お前、声デカすぎ」
「・・・・・」

シーツをギュッと握りながら、ミランダは隠れるように顔を覆う。

「仕方ねぇだろ、いいんじゃねぇの?喘ぎ声くらい、体操してたとか言っとけ」
「・・・ティキさん」

ミランダはシーツを下ろして、顔を覗かせる。

「なんだよ」

タバコの煙りをフーッと吹き掛けられて、ミランダは顔をしかめた。

「あ・・あの、ちょっと聞きたいんですけど」
「?」
「き、今日・・その、全部・・な、な、中で出しませんでした?」

ティキは、面倒な事にならないよう行為の際には必ず避妊をすると言っていた。以前のミランダとの行為でも避妊具を用いていたし、今回もてっきりそうしているだろうと思っていたのだが、どうも下腹部に違和感があった。

「ん?ああ、全部中で出したけど」

けろりと言ってのけられ、ミランダは驚いてシーツから体を起こすと、

「だ・・だって・・それじゃあ・・」
「何だよ、アレか?ガキが出来るだとかそんな事か?」
「そうですっ・・赤ちゃんできちゃったら困るじゃないですかっ」

めずらしく責めるように言うと、ティキは口の端をゆるく上げてミランダを見る。

「ああそれね」
「・・え?」
「つくったんだよ」
「・・・・は?」

意味が分からない。

「さすがのエクソシストも、ノアのガキを孕んだらまずいよな?」

確信犯のように微笑んだその顔は、ミランダの顔をさらに強張らせた。

「テ・・ティキ、さん?」
「安心しろ、ちゃあんと責任はとってやるから」

ぽんぽん、と頭を叩かれて。
その、漆黒の瞳に自分が映されているのを見た時。

『逃げられないかもしれない』と。

ミランダは諦めにも似た、複雑な想いを抱いたのだった。





End




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