むぎゅー、と頬っぺたを引っ張られた。 「いひゃい」 頬っぺたを引っ張られたまま目の前の彼に訴えるが彼はそんなことお構い無しに僕の頬っぺたを引っ張り続ける。 痛くて段々涙目になってきた。 「ひゃまー」 僕の頬っぺたを引っ張り続ける彼、やまは涙目になった僕を見てやっと痛がっていることに気付いたのか、ふっ、と頬っぺたを引っ張る力を弱めた。 「もー」 「だって、うみくんの頬っぺたやらかいんだもん。きもちー」 「だからって痛くしないでよ」 ふにふにとやまは僕の頬っぺたを揉んだ。 さっきよりか力が弱くなったからふにふにやられても痛くない。これならまだいいや。 「ほんと、やらかいな。」 やまはそう言いながらふにゃっと笑う。 やまにつままれている頬っぺたはほんのり痛いけれど、やまのふんにゃり笑顔を独り占めできるなら全然構わない。 「…頬っぺた弄くられるのはなんとも言わないんだな」 やまはそう呟くとまた僕の頬っぺたをふにふにしはじめた。 |