.*とめこ様から☆コラボレーション*.
MAIーTAI


「一舞ちゃんと由紀ちゃんの一発合格と、ついでに銀竹の誕生日を祝って」

「「「「「かんぱーいっ!!」」」」」


志摩の音頭でぶつかるのはグラス、ではなく紙コップ。
テニス部の冬海達とバンド部の一舞、由紀、洋が集まった総勢9人の団体は、それぞれの飲み物を飲む。


「いやー、テニスのテストが無事に終わってよかったよかった」

「それも一発合格だろ?凄いな」

「志摩さんやテンプルさんがコーチしてくれたおかげです。本当にありがとうございました」


顔を赤らめた由紀からのお礼に、志摩とテンプルの心が和む。蒼夏高校には女子が極端に少ない為、女子、それも由紀の様な癒し系の女子には滅多にお目にかかれないのだ。

―ロッタ、由紀ちゃんって本当にかわいいな。
―ああ。こんな子が蒼夏(ウチ)にもいたらなー。

久しぶりに可愛い女子に会えたと、志摩とテンプルの顔は緩み、その隣では洋が「やっぱり来てよかった」と疲れた息を吐く。
顔が緩んでいるものの、志摩もテンプルも、由紀に恋愛感情を抱いているわけではない様子だが、それでもアイツが良い顔をする筈がない。


「(俺って本当、兄思いのいい弟だよな)ところでさー、さっき撮ったプリクラ誰が持っている?」


ここに来る前、ゲームセンターで記念にプリクラを撮っていた。それを誰かが預かっているのだが、その誰かとは一体、誰だったか。
洋が皆を見渡すと、持っていないと首を横に振る中で、冬海が「僕です」とプリクラを差し出した。


「どうぞ」

「サンキュー。おお、やっぱり7人でプリクラって密度高いな」


改めて自分達が撮ったプリクラを見ていると、一舞が「本当だね」と覗き見る。


「でも氷雨君と銀竹君が写れなかったのは残念」


撮ったプリクラには、冬海と響の姿がない。大人数では画面に入りきらなかったのが理由だが、撮るなら集まった全員で撮りたかったと、眉をハの字にして後悔する一舞に、銀竹が手を振る。


「気にしなくていいよ。いくら一舞ちゃんと由紀ちゃんがいても、男7人がプリ機にすし詰めなんて俺はごめんだから」


そうおどけて言えば、一舞の後悔も少しは軽くなる。笑う一舞に響も笑みを返していると「あー、聞き捨てならなーい」と宇井から間延びした抗議の声が。


「銀竹、何気に私をカウントしなかったでしょ。酷くない?」

「バカ言え。こんなラクガキした橙南の方が酷い」


こんな、と響が指したのは『氷雨、銀竹アウト〜』の文字。文字だけで終わらず笑のマークまでつけられていて、響は宇井に非難の目を向けた。
向けられた宇井は「まーこーとくーん」と話題転換、自分から突いたくせに、無視とは酷いではないか。
その話題を変えた矛先、誠はつんとそっぽを向いていた。一人だけテーブルに視線を固定してコーラを飲む様子は、不機嫌さがありありと見てとれた。


「誠君、かわいい妹を無視?」


まさか反抗期?家庭内暴力、家庭崩壊。
わざと不吉なキーワードを羅列して、これまたわざとおおげさに震えた宇井に、誠が拳骨を喰らわせる。


「っつー!!」


本気の一撃は涙が出るほど痛くて、悶える宇井を由紀が心配する。


「橙南さん、大丈夫ですか?氷を貰ってきましょうか?」

「平気平気。まぁ、こうなるのは解っていたから」


何故か困ったように言う宇井に、由紀は首を傾げる。
殴られるのが解っていたなんて、そうないことだろうけど。
不思議がる由紀が誠を見ると、逃げるように目を逸らされた。

実は由紀達がテニスを教えてもらったあの日、誠はいなかった。洋と蓮が双子だと話して、うちにも双子がいるから今度会わせるよと言われて今日、連れてきてもらったのだが、もしかして嫌だったのでは?由紀が悶々と考えていると、志摩が洋を振り返った。


「なぁ、洋。今日は蓮何しているの?」

「蓮なら、一舞と由紀ちゃんの代わりに仕事しているよ」

「え、じゃあ蓮と会えないの?」


仕事中と聞いて、テンプルが残念そうに言う。テンプルだけでなく、他の皆も聞かなかっただけで、蓮が気になっていたのだ。そんな彼等に、一舞が元気よく言う。


「蓮ちゃんならライブハウスで会えるよ。どうする?ちょっと早いけど行ってみる?」


一舞からの提案に、テニス部は顔を見合わせると。


「「「「「行く!」」」」」


声を揃えての大賛成。
一舞と由紀は「やったね」と笑う。二人共、自分の仲間達に彼等を紹介したくてたまらなかったのだ。


「楽しみですね」

「ああ、ライブなんて滅多に行けないからな」


冬海と響が言う。
今日、集まった本当の目的は一舞達Babies’-breathのライブを観る為だけど、その前にプリクラを撮って、交流会をしてと楽しみがひとつ、ふたつと増えて、今またひとつ増えたとテニス部は喜ぶ。

自分の知らないところで、また話が進められたと誠は頬杖をつくも、楽しそうな冬海達や、嬉しそうな一舞達を見ていて、どうでもいいかと口元を緩めた。




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《感謝御礼from*美砂》
コラボイラストをお贈りしたら、そのイラストを基に小説書いてくださいましたあぁぁぁぁ!!ヽ(>∀<*)ノ
もうね、もうね、由紀ちゃんと一舞を可愛がってくれるテニス部のみんながイケメンすぎて美砂はちょっとジェラs(←何言ってる)
響くん冬海くん、プリクラに入れなくてごめん←
誠くんも苦手なのにごめん←
蓮くん連れてこなくてごめん←
とめこ様☆お忙しい中本当にありがとうございました♪めっちゃくちゃ身悶えてます未だに!
大切に大切にします♪墓まで持っていきますマジで!


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