.*小仁沢様から相互記念*.
Who is he?...【8】

「洋ちゃん? どうしたの?」

「――蓮と涼から、すっげぇ電話きてた」

「部活遅れるって連絡しなかったの?」

「してない」

「うわぁ、それじゃあ仕方ないよ」

 きっと蓮ちゃんも涼ちゃんも怒ってるだろうなー。

「――オーナーからも」

「……学ちゃん?」

 何だかすごく嫌な予感が……。

「留守電に静かな声で『一舞をつれて、10分以内に店に来い』って入ってた」

「……。」

 頭の堅い暴君・学ちゃんが10分て言ったら、どんな理由があれど10分以内じゃないと許されない。

 例え1分でも遅れたら、待っているのは、間違いなく鉄拳制裁。

 あたしと洋ちゃんはどちらからともなく、走りだした。

「あー! もうっ! こんなことになるなら香澄のことなんかほっとけばよかったよっ!」

「それ言うなら、あたしこそいい迷惑だよっ!」

 洋ちゃんの勝手な勘違いに巻き込まれて、学ちゃんに怒られるなんてたまったもんじゃないよ。

 でも、その勘違いがあったからこそ、あたしはハルちゃんに会えたわけで、そういう意味では洋ちゃんに感謝かな?

 時間があればもっと話していられたのに。

「二人とも頑張ってねー!」

 前もって休みの連絡をしておいた香澄ののんきな声援に、

「薄情者っ! もとはといえば香澄が悪いんじゃないか!」

 と、わざわざ立ち止まって悔しそうに叫ぶ洋ちゃんがおかしくて、そんな場合じゃないってわかってるのに思わず笑ってしまった。

 振り返りざま、ハルちゃんと目があう。

 「またね」と小さく手を振ると、ハルちゃんはまたあのイタズラ小僧みたいな笑顔を浮かべて、ぶんぶんと音がしそうなくらいな勢いで手を振り返してくれた。

 大人かと思いきや、あたしたちと変わらないくらい無邪気で、きさくで、面白い人。

 うん、あたし、この人とならいい友達になれそうだ。

「さぁ洋ちゃん、急がないと!」

 今度は是非、あたしたちのライブにハルちゃんを招待しよう。

 それでみんなに、男みたいな女の子のハルちゃんを紹介して、驚かしてやるんだ。

 楽しい想像をしながら、地面を蹴る足に思い切り力をこめた。


≪Fin≫


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《感謝御礼from*美砂》
ウチの子と宝小様宅のお子さんのコラボ小説です☆
どの子を登場させていただけるのかとwktkしていたら、まさかのあの子でした(笑)
彼らをよく知ってもらえているのが伝わってきて幸せになりましたよ^^*
宝小様☆本当にありがとうございました(>▽<)**


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