合宿初日の小事件@
2010/10/08






 学ちゃん所有の別荘に合宿をすることになった夏休みの始まり。

 部屋割りのあと、別荘のリビングで寛ぐメンバーたち。

 一様に暗い顔をした男ばかりの室内。居心地はあまり良くない。とはいえ一応は、確認と提案が必要なんじゃないかとあたしはおずおずと学ちゃんに問いかけてみた。


一舞
「合宿の予定日数ってどのくらい?」


「ん?…ん〜………だいたい二週間くらいかな」

一舞
「だいたい…」
(…要するに決めていないわけね)


 まぁ…それくらいは予想してたけど。


一舞
「一応さ…、家事的なことを確認しておきたいんだけど」


「……家事?」

一舞
「うん、ご飯とか掃除とか洗濯とか」


「………あ〜…そっか」


 このメンバーの中で女子はあたしだけだし、それなりにやりますよっていう声かけは必要だと思うんだ。現に学ちゃんは考えてなかったみたいだしね。


一舞
「一応、あたしがやるから心配しないでいいよ。だから、洗濯物、ちゃんと出しておいてね」


「あぁ…悪いな」

一舞
「いいえ。あ、みんなも遠慮しないでちゃんと出してね洗濯物」


「えっ!?」


「いやっ、いいよ自分でやるよ」

一舞
「…遠慮しないでってば」


「や・・・これは遠慮とかじゃないっつーか・・・」

一舞
「?」


「ん?なんだ?」


 みんなの顔を見渡して声を掛けると、洋ちゃんを始めとして突然に狼狽え始める。そして互いに顔を見合わせて、なんだか言いにくそうに目配せしたりして・・・いったいどうしたというのでしょうか?


一舞
「…どしたの?なんかマズい?」


「・・・いや、なんつーか・・・・・なぁ?」


「・・・だよな」

翔「あぁ…なるほど」


 翔が何かに気づいて、面白いモノを見るように男子高校生チームを見て微笑んでいる。

一舞
「・・・なに?」


「あー…あれや。この子らも、さすがにハズいんとちゃうん?つーか俺も恥ずかしなってくるけどもやな」

一舞
「は?」
(恥ずかしい?何が?)


一舞
「べつについでなんだし…いいんじゃないかと思っただけなんだけどな…あたしそんなに恥ずかしいこと言った?」


 不安になって尋ねると、みんなは更に困った顔になってしまった。




・・・・・・・つづく








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