大人女子会?(※『en aparte'』予告編?)
2015/11/21



 とある高層マンション。そのリビングには、家主の趣味らしき様々な花が飾られ、甘い香りが充満している。

 いかにも女性らしい女性の部屋といった雰囲気だが、住んでいるのは・・・




「常盤姉さん。しばらく見ないうちにまた痩せたんじゃないか?」

常盤
「・・・そう?体重は変わっていないはずだけど」

弥生
「痩せたん違うわ。身長のびただけやないの」


「・・・弥生、お前。この人がいくつだと思ってんだ」

弥生
「さぁ・・・姉ちゃん知ってんの?」


「・・・いや。しかし思うに身体的成長過程はとっくに終了しているものと思っているんだが」

常盤
「ふ・・ふふ・・・年齢はともかく、弥生ちゃんがそう感じるのなら、もしかしたら伸びたのかもしれないわねぇ。ふふふふ」


 この部屋の家主は『常盤』と呼ばれるその人である。

 見た目は時に男性、時には女性、どちらの性別にも対応できるようだが、本来は女性としての心を持って生きてきた人物である故に”姉さん”と、親しみを込めて呼ばれているようだ。


 大きな窓からは眩しい太陽の光が差し込み、夜の蝶から真昼のマダムへと変身した三人を暖かく包む。

 久し振りの女子会に心躍らせた家主が、鼻歌混じりに用意した手作りの焼き菓子と紅茶を囲み、とめどない会話が繰り広げられていく優雅なひと時である。



常盤
「それはそうと、彰は元気にしていますか?」


「ん?元気なんじゃないか?どうだ?」

弥生
「まあ通常運転やろな。毎日楽しそうにしとるわ。おかげで学がそろそろ禿げ散らかしそうやけど」

常盤
「そうなの。あの子には本当に色々大変な思いをさせてしまいましたからね。今が楽しいのならそれはとても結構なことね。ふふ」


「だ、そうだ。学が禿げたら慰めてやれ」

弥生
「ははっ、せやな。せいぜい撫でくりまわしたるわ」

常盤
「あらあら、ふふふ。学ちゃんには申し訳ないけれど、きっとあの子が本心から気を許せるのは彼だけなのでしょう?」


「そうなんだろうな。学もそれはわかっているだろうが」

弥生
「彰が自由人すぎてヤキモチ妬いとるだけやから。禿げる言うてもそらまあ、な。ふは」

常盤
「あらまあ。そういうことなの?」


「そっちか」

弥生
「他に何があんねんな。学は気が多いねんで。知らんかったん?」

常盤
「やだ、学ちゃんってそうだったの?弥生ちゃんったらよく平気ねぇ・・・へぇ・・・まあ。確かに学ちゃんも彰も可愛らしいものね」


「可愛いのか。アレが」

常盤
「可愛いわよ。学ちゃんが必死に威嚇している時なんて特に」

弥生
「わかるわ」www


「いや、まあ、可愛いかどうかは置いておくとしてだな。昔からそういう雰囲気はなんとなく感じてはいたが、まさか今でもそうだとは思っていなかったぞ」

弥生
「あぁ、はは、姉ちゃんが心配するようなことはないから安心してや。あくまで精神的な話やから」

常盤
「まあプラトニック?素敵ね」


「素敵じゃない。姉さんがウキウキし始めたじゃないかどうするんだ」

弥生
「どうするもなにも、常盤姉さんがこういう話好きなんは仕方ないわ」

常盤
「ヤキモチ妬いても家庭を大切にするなんて良いことだと思うわ。学ちゃん立派ねぇ。ってことは、彰が我慢できなくてワザとヤキモチ妬かせてるのかしら」


「だとしたら問題だし弥生も笑っていられないと思うんだが・・・」

弥生
「そんなん無いけど、あたしはどっちでもええわ。ぶっちゃけ学を幸せにできるんはあたしだけやし。そもそも結婚するんが決まった時かその前かわからんけど、先に手ぇ引いたんは彰の方やで」

常盤
「あら、そうなの?」


「追いかけているのがお前の旦那の方だとなると、それもそれで問題だな」

弥生
「姉ちゃんは難しく考えすぎやねん。好きなら好きでしゃーないし、そこはそっとしといたらええやんか。まあ学は自分では認めんけど」w

常盤
「認めないだなんて、本当に可愛いわね」

弥生
「微笑ましいやろ?」


「どこがだ」

常盤
「でも・・・そう・・・そういうことなのねぇ」


「何だ。何がそういうことなんだ」

弥生
「まあまあ」


「・・・姉さんが何を納得したのか知らないが、まったく。学もさっさと諦めればいいものを」

弥生
「諦めるとかそういう話でもないねんなぁコレが。まあ、姉ちゃんにはこの手の話は難しかったみたいやわ」

常盤
「そのようね。ふふふ」


「どういう意味だ。怒るぞ」

弥生
「いやや。怒られたらチューしてまうやん」

常盤
「怒っちゃだめよ。シワができちゃう」



 不定期に開催されるこの女子会。この語らいは夜まで続くのである。

 昨今の小難しい話題はさて置き、顔を合わせればまるで少女に戻ったような心地よさ。こうしてまた彼女たちは若返るのであった。





***あとがき***********************

とりあえずこの3人を絡ませたかっただけのお話w

こういう話題になると華さんよりも弥生さんの方が経験上やはり一枚上手ですねw

常盤姉さんはとにかくただの女子になるw

口調に気を使わなくていい間柄ですからね。

そして姉さんが幾つなのかはやっぱりわからないままですw

お粗末様でしたVv

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