リストラ(TrinityBかなり先の予告編)part2 |
夜の繁華街で生きる女の掟。 《同業者との恋愛禁止》 もしこれを破ってしまったら、もし弥生目当ての客にそれがバレてしまったら、彼女の指名は減るだろう。同時に学、弥生の両者に危険が及ぶ可能性もある。 とはいえ学も弥生も、そして彰も、普通ならば楽しい恋愛を経験するお年頃。どんな場所であれ青春は止められないのだ。 華 「まあ、事実を隠すなんて容易い。バレた時が厄介なだけだ。別れるならその方があたしとしては助かるが、そんな気は毛頭無いんだろ?」 学 「無い」 弥生 「無いな」 華 「ならば、どちらかに辞めてもらうしか無いな。今後のために」 彰 「・・・」 華 「というわけだから。お前、明日から来なくていいよ」 学 「・・・言うと思った」 華 「代わりに彰でも雇うか。お前ならそういう問題は回避できそうだからな」 彰 「どうかな」 学 「姉ちゃん・・・」 華 「なんだ」 学 「彰は両刀なんだけど」 華 「それがどうした」 学 「んで、俺より手ぇ早いけど」 彰 「そうだね」 華 「・・・じゃあダメだな。他を探すか」 弥生 「あたしもクビ?」 華 「辞めたいのか?辞めて学校行くか?」 弥生 「え、嫌」 華 「なら黙って稼ぎな」 弥生 「わかった。これからもオヤジ共の金毟り取る」 学 「言い方」 弥生 「セクハラオヤジのケツ蹴りまくる?」 彰 「お前はそれしか無いの?」 弥生 「ソレが無かったらやってられへんわ」 華 「それで良いんだよ弥生は。そういうのが好きな変態が金落としてくんだから」 学 「ふーん・・・んじゃ、俺は明日からどうすっかな・・・」 華 「他のバイトでも探しな」 学 「・・・他のバイトか」 華 「そういえば大通りの向こうにバイト募集してる店があったな。ウチとは毛色が違う店だったが」 学 「マジ?・・・行ってみるかな」 華 「ふっ・・・まあ、後はとりあえず、学校にでも行けば?当てならあるし、学費はあたしが出してやるよ」 学 「!」 華 「人生で一度くらい、普通に年相応な時期はあってもいいだろ」 彰 「じゃあ俺も高校生になろうかな。ふふっ」 学 「似合わねーな」 彰 「お互い様でしょ」 華 「制服着てりゃ見えなくもないだろ」 学 「そうかなぁ・・・」 彰 「まあ、似合う似合わないは別としても、俺も貯金あるし、暇つぶしにでも行ってみようかなぁ。可愛い子に会えそうだし」 華 「学費は出してやるから貯金はとっておきな」 彰 「そこまで甘えられませんよ」 華 「うるせーガキ。こういう時は黙って従うんだよ」 彰 「・・・はい。失礼しました姐さん」 学 「ぷっ」 華 「というわけだから、くれぐれもガキは作るなよ?」 弥生 「えー」 学 「えーって何だ」 お説教から妙な展開へ。 果たして学と彰は高校生になってしまっても大丈夫なのだろうか?普通の学生としての生活など出来るのだろうか? とにかくリストラされてしまった学は、新しいバイトを探す事になったのだが、毛色が違うとはいったいどういう事なのか。 華 「あ、そうだ。学、彰、1つ忠告」 学 「なに?」 彰 「何ですか?」 華 「一応、学校については宛てがあるのは確かなんだが、入学するには試験は受けなくちゃならないからな。勉強はしておけよ」 学 「・・・」 彰 「ああ、そういう事なら大丈夫ですよ。ね?がっくん?」 学 「・・・・・・・・」 本当に、大丈夫なのだろうか・・・? ⇒続く・・・かも? |