リストラ(TrinityBかなり先の予告編)part1 |
華 「どういう事か・・・あたしの目を見て言ってごらん」 学 「や・・・弥生と、付き合って、ます」 華 「そんな事は分かってるんだよ。あたしが聞きたいのはそれじゃない」 弥生 「(学が「ます」って言うた・・・)」 彰 「(がっくん可愛い。ぷくくくっ)」 とある高層マンションの一室。 子供が寝静まった深夜、リビングでは仕事明けの夜蝶たちが、雁首揃えて話し合いの真っ最中である。 向い合せに置かれた大きな革張りのソファーが二つ。 モダンなデザインのソレの真ん中に、腕も足も組んだ姿勢で腰かけ、まるで女王のような風格を匂わせ君臨している彼女こそ、この部屋の主。 目の前の同じ造りのソファーには、実の妹とドレッドの新入りを座らせ、その横に赤い髪の弟分を立たせた状態で、話し合いと言うよりはお説教の現場と言った風景である。 華 「いつからだ?」 弥生 「・・・3か月前?やったかな?」 華 「・・・まだ日は浅いな。別れるなら今が丁度いいが・・・この弥生だぞ?いったいどういう経緯があればそうなる?」 学 「・・・そ、それ言わす?」 華 「言えないような事をしたのか」 学 「ま・・・まあ」 弥生 「R指定。ぷっ」 彰 「がっくんも男の子だからな。ぷくくっ」 学 「お前は何を他人事みたいに笑ってんだよ。んでそこの変態。お前どっか行け」 彰 「変態だけど証人だよ?俺は」 弥生 「何が悪いって、お前の下半身が悪い」 学 「なっ!?自分だって!」 華 「・・・まったく。お前もそこらの間抜けと同じか」 学 「って、えぇ〜?・・・つーか責められんの俺だけかよ」 華 「弥生もだ・・・いいか?お前ら知っての通り、夜の女にはルールってものがある。もちろん、ボーイと言えどそれは同じだ」 学 「・・・」 弥生 「・・・」 彰 「・・・」 華 「特に弥生はウチの稼ぎ頭だ。それを喰い散らかしたお前の罪はどのくらい重いと思う?」 学 「喰い散らかした・・・って」 主の言いつけを守れなかった2人と、巻き添えをくらった新入りドレッド頭。改めて夜の掟を突き付けられ、黙ってしまった。 静まり返った部屋に、この場の空気に不似合な子供の寝息が、静かに響いている。 さてこれからどうすべきなのか。当事者の三人はまったく反省などしていなかった。 ⇒part2に続く |