失恋事情と事件発覚(TrinityA参照&TrinityB予告編) |
純 「なあ、隣のクラスの子に、お前のこと紹介してくれ言われたんやけど」 昼休みの屋上は専ら三人のオアシス。今日もウダウダと時を過ごしている。 透瑠 「熱出て怠いよーって唸ってる透瑠ちゃんに向かって、どうしてそういう面倒な話題を持ってくるのかな純くんは」 瑠璃さんという心の拠り所を失った透瑠は、保健室には行かなくなった。 なんでも後任で入って来た保険医はかなりの高齢男性。消毒薬と入り混じる加齢臭を通り越した老齢臭が、どうにも体調の悪化を招くと言って近寄りもしないのだ。 純 「なんでなん?ええやん。可愛い子やで?」 透瑠 「中学生なんかに興味無いしー」 純 「は?自分かて中坊やないか」 透瑠 「だって、そんな誰かに紹介してもらわなきゃ彼氏も作れない子なんてさ、一から開発しなきゃいけないんだよ?ヤッても楽しくなさそうだもん」 純 「・・・そんだけ元気あるんやったら体育サボんなや」 透瑠 「サボってんじゃなくて、学校側がウチの親から命令されてんの。手に怪我でもしたら大変なんだってさー」 純 「・・・ほー」 透瑠 「それはそうと、純カノとは上手くやってんのー?」 純 「・・・」 透瑠 「ん?」 純 「それがな・・・」 透瑠 「うん」 純 「もう辛いから別れよう、って言われてん」 透瑠 「あらら」 純 「せやから、わかったて言うたった」 透瑠 「男らしいねー」 純 「めっちゃ泣いたけどな。一人で」 透瑠 「あははっ、可愛いね。純くん」 純 「お前と一緒や」 透瑠 「んー・・・それなんだけど、ちょっと聞いていい?」 純 「なに?」 透瑠 「アレね?」 純 「ん?」 透瑠 「もしかしたら、俺の子なんじゃないかと」 純 「!!」 透瑠 「密かに考えてたりするんだけど・・・どう思う?」 純 「・・・」 透瑠 「・・・」 純 「・・・そんなヘビーな疑問ぶつけんといてー」 透瑠 「あれ?無理だった?」 純 「俺には無理・・・翔やったらサクッと答えてくれそうやけど」 透瑠 「そうかー・・・でも翔に聞くのは嫌だなー・・・」 純 「つーか翔、遅ない?」 透瑠 「あー、今日はたぶん来ないよ」 純 「え、なんで?」 透瑠 「今日ってか昨夜は確か・・・お得意様のお姉様のところに泊まり込みのはずだから」 純 「・・・」 透瑠 「ん?」 純 「・・・」 透瑠 「なに?」 純 「今、なんかおかしい事言うたな」 透瑠 「そ?」 純 「アイツ・・・なんかマズイ事してるんちゃん!?」 透瑠 「えー?知らないよー?」 純 「は?知らん奴がなんでそないに詳しい事言えんねん!コラ!吐け!」 透瑠 「いやーっやめてーっ熱上がるー!ふははははっ♪」 じゃれ合う姿は年相応なのに、その話題が可愛くないTrinity。 いったい翔にはどんな秘密があるというのか。 透瑠の疑問は解明されるのか。 純にはまた彼女ができるのか・・・。 甲高い笑い声と、怒鳴る関西弁が響き渡る屋上。 のどかなお昼休みは過ぎていった・・・ |