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ヤス 「そういえば予定って、もしかして彼女との約束だったりする?」 慎一 「へ?」 司が自慢の喉を披露する騒がしいボックス内。 ヤスは、先ほどの慎一の言葉を思い出し、アイスティー片手に問いかけた。 問いかけられた慎一はというと、そんな事はすっかり忘れていたようで、歌本を捲る手を止めて間抜けな顔で振り向く。 広夢 「慎一んとこは約束なんかしないから大丈夫だよ」 慎一 「は?」 ヤス 「そうなの?え、でも、ってことはやっぱり彼女の何かだったんじゃないの?」 慎一 「違うよ。いや、違わないけど。とにかく約束してたらコッチを断ってるから」 ヤス 「そう?だったら安心だけど」 広夢 「ヤス君は優しいなー。イケメンで優しいって最強だよね」 慎一 「ホントだね」 ヤス 「やめてよ・・・司には草食だ草食だってバカにされてるんだから」 広夢 「いや草食系ってなかなかモテるらしいじゃん?」 慎一 「広夢はガッツリ肉食系だから該当しないね」 広夢 「とか言ってる慎一も肉食じゃん。あ、でもリア充だもんねー。ズリィよなー」 慎一 「ズルいとかズルくないとかの問題かな」 ヤス 「彼女、どんな子?」 慎一 「・・・あー、んーと。ちっちゃくて派手だけど、真面目で賢くてなんか凄い子」 ヤス 「へぇー」 広夢 「完全にノロケた!誉めすぎ!」 慎一 「ヒトの彼女を何だと思ってんの?お前失礼だよねー。俺より先に告っといてさぁ」 ヤス 「マジで?」 広夢 「あ!バラすなよー!」 慎一 「広夢が悪いんじゃん」 広夢 「いいなー。つーかこの際だから言っちゃうけどー。本当なら俺が先に脱童貞の予定だったんだぞー」 慎一 「・・・童貞だってことを隠す気も失せたんだね」 ヤス 「あはは・・・」 慎一 「まぁ、それは勝手だけど、ウチの夫婦生活を想像すんのだけはヤメテね」 広夢 「ばっ!いくらなんでも想像なんかしねーよ俺だって」 ヤス 「広夢くんは好きな子いないの?」 広夢 「今はいないなー。可愛い子見たら全員と付き合いたいって思っちゃうから。んふっ」 ヤス 「あー・・・」 慎一 「だから彼女できないんだよ」 広夢 「じゃあ逆に聞くけど、どうすれば彼女できんの?」 慎一 「先ずは本気で好きになんないとダメでしょ」 ヤス 「根本的な問題だね・・・」 慎一 「顔だ体だって言ってるうちは無理だよ。よっぽどのイケメンじゃなきゃ」 広夢 「えーっ!?だってビジュアルは大事じゃーん!」 慎一 「自分が並な見た目なのによく言うよ」 司 「ホントになぁ」 広夢 「わ!ビビったー!」 突然、背後からマイクを通した司の声が響き、広夢の体が跳ねた。 司 「誰も俺の歌聴いてねーのな」 拗ねた様子で甘いカフェオレを口に含みながら、俺の話も聞いてーと三人に割って入る。 もはやカラオケどころではない男子会。 はたして広夢がリア充になる日は訪れるのか・・・? 慎一 「広夢はヤス君を見習ったほうがいいよ」 広夢 「例えば?仕草?物腰?」 慎一 「精神面」 広夢 「・・・あぁ」 司 「どうせなら俺にしとけ。ひひっ」 |