高2男子親睦会(1)
2011/09/10



ヤス
「ごめんね、忙しいのに来てもらって」

 ここはカラオケBOXの一室。

 まだ一曲も入れていないどころか突然頭を下げる長身のクリーミー男子。

広夢
「いいってそんな気ぃつかわなくてもー。ね?慎?」

慎一
「まぁ、俺は一応予定あったけど。どうせいつも不毛に終わるし、大丈夫だよヤス君」

 最敬礼で頭を下げる彼に優しく微笑む二人は、他校の生徒だ。


「ほら、二人とも良いっつってんだし、とっとと歌入れようぜ」

 そう言って面倒くさそうにテーブルに肘をつき、タッチパネルを操作している一際派手な彼は、広夢や慎一とは初対面。しかし一番態度が大きく見えるのは彼の特徴なのか。


ヤス
「なんだよ司。お前が二人に会ってみたいって言ったんじゃん」


「いやー、なんつーの?イメージと違ってガッカリ?みたいな?」

ヤス
「失礼だよお前はー!」

広夢
「気にすんなって、俺らそういうの慣れてるし」

慎一
「司くんね。覚えたからいいよ」

ヤス
「・・・ホントごめん、コイツ超自己中でさ」


「っせーな。ところで広夢」

広夢
「は!いきなり呼び捨て!しかも名前ドンピシャ?」

司「だいたいキャラでわかるって。つーか何か食うモン頼んどいて」

広夢
「・・・わかった」


「慎一は?何歌う系?」

慎一
「俺はジャ○ーズ系」


「マジで!?」

慎一
「嘘。エモ系」


「なんだよウケるー!ひゃっひゃっ!何?エモってワンオクとか?」

慎一
「いいね。得意だよ(嘘)」


「さすがライブハウスに入り浸ってるだけあるわー!おもれー」

ヤス
「入り浸ってるんじゃなくて働いてんだけどね」


「どっちも似たようなモンだろ、細けーこと言うなよ」

ヤス
「全然違うよ。あと、広夢くんをパシるのもダメ」


「・・・だって、アイツそういうキャラじゃね?」

ヤス
「そういうのは関係無いの。俺の友達として紹介してんだから敬意を払えって言ってんだよ」


「・・・」

ヤス
「わかった?」


「・・・はぁーい。広夢くんごめんねー」

広夢
「いいよ別に、つーか何食いたいの?」


「ん?やっぱポテトは基本っしょ」

広夢
「りょーかい」

慎一
「そういうキャラだよね」


「な?だよなぁ?」

ヤス
「もーいいから早く歌いなよ」


 こんな調子だが、本当は悩める高2男子親睦会。

 歌い始めた司を横目にカミングアウトが始まるのだった・・・。








人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -