高2男子親睦会(1) |
ヤス 「ごめんね、忙しいのに来てもらって」 ここはカラオケBOXの一室。 まだ一曲も入れていないどころか突然頭を下げる長身のクリーミー男子。 広夢 「いいってそんな気ぃつかわなくてもー。ね?慎?」 慎一 「まぁ、俺は一応予定あったけど。どうせいつも不毛に終わるし、大丈夫だよヤス君」 最敬礼で頭を下げる彼に優しく微笑む二人は、他校の生徒だ。 司 「ほら、二人とも良いっつってんだし、とっとと歌入れようぜ」 そう言って面倒くさそうにテーブルに肘をつき、タッチパネルを操作している一際派手な彼は、広夢や慎一とは初対面。しかし一番態度が大きく見えるのは彼の特徴なのか。 ヤス 「なんだよ司。お前が二人に会ってみたいって言ったんじゃん」 司 「いやー、なんつーの?イメージと違ってガッカリ?みたいな?」 ヤス 「失礼だよお前はー!」 広夢 「気にすんなって、俺らそういうの慣れてるし」 慎一 「司くんね。覚えたからいいよ」 ヤス 「・・・ホントごめん、コイツ超自己中でさ」 司 「っせーな。ところで広夢」 広夢 「は!いきなり呼び捨て!しかも名前ドンピシャ?」 司「だいたいキャラでわかるって。つーか何か食うモン頼んどいて」 広夢 「・・・わかった」 司 「慎一は?何歌う系?」 慎一 「俺はジャ○ーズ系」 司 「マジで!?」 慎一 「嘘。エモ系」 司 「なんだよウケるー!ひゃっひゃっ!何?エモってワンオクとか?」 慎一 「いいね。得意だよ(嘘)」 司 「さすがライブハウスに入り浸ってるだけあるわー!おもれー」 ヤス 「入り浸ってるんじゃなくて働いてんだけどね」 司 「どっちも似たようなモンだろ、細けーこと言うなよ」 ヤス 「全然違うよ。あと、広夢くんをパシるのもダメ」 司 「・・・だって、アイツそういうキャラじゃね?」 ヤス 「そういうのは関係無いの。俺の友達として紹介してんだから敬意を払えって言ってんだよ」 司 「・・・」 ヤス 「わかった?」 司 「・・・はぁーい。広夢くんごめんねー」 広夢 「いいよ別に、つーか何食いたいの?」 司 「ん?やっぱポテトは基本っしょ」 広夢 「りょーかい」 慎一 「そういうキャラだよね」 司 「な?だよなぁ?」 ヤス 「もーいいから早く歌いなよ」 こんな調子だが、本当は悩める高2男子親睦会。 歌い始めた司を横目にカミングアウトが始まるのだった・・・。 |